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Yコンビネーター新代表サム・アルトマンの個人投資先を眺めながらYCの今後を考える

credit: TechCrunch via FindCC

Yコンビネーター最新バッジのDemoDayが先日行われたようですが、今回登場したスタートアップは今までと毛色が異なり、医療やバイオ関連が多かったのだとか。

ベンチャー支援のY Combinator、次の注目分野は医療IT

そういえば今回はサム・アルトマンが代表になってから初めてのバッジじゃなかったっけ?と思ったので、サム・アルトマンが個人で投資しているスタートアップを眺めながら、彼の興味関心の強い領域ってどのあたりなんだろうってことを探りたいなと思います。ちなみにサム・アルトマンのプロフィールはこちらで触れられています。

Y Combinatorの代表交代と彼らに学ぶマインド

以下、ざっくりとまとめます。

開発者向けサービス

MemSQL
概要:リアルタイム処理データベース
創業次期:2011年1月
投資時期:2011年7月
投資ラウンド:シード

Optimizely
概要:A/Bテストサービス
創業次期:2010年
投資時期:2010年3月
投資ラウンド:シード

Swiftype
概要:サイト/アプリ内検索・分析ツールの提供
創業次期:2012年
投資時期:2013年8月
投資ラウンド:シード

URX
概要:開発者向けディープリンク作成支援サービス
創業次期:2013年2月
投資時期:2013年10月
投資ラウンド:シード

Lob
概要:プリンタをクラウド化するAPIの開発
創業次期:2013年5月
投資時期:2013年11月
投資ラウンド:シード

Heap
概要:コーディング不要のWeb/アプリイベント分析サービス
創業時期:2013年
投資時期:2013年8月
投資ラウンド:シード

医療・研究機関系サービス

Quartzy
概要:機材や薬剤、スケジュール等研究室管理プラットフォーム
創業次期:2009年1月
投資時期:2013年7月
投資ラウンド:シリーズA

CrowdMed
概要:病気の診断を行うクラウドソーシング
創業次期:2012年10月
投資時期:2013年6月
投資ラウンド:シード

Science Exchange
概要:科学実験が受発注できるマーケットプレイス
創業次期:2011年5月
投資時期:2011年12月
投資ラウンド:シード

EC関連スタートアップ

OpenDoor
概要:家の中古販売プラットフォーム(ステルス)
創業時期:不明
投資時期:2014年7月
投資ラウンド:シリーズA

Instacart
概要:1時間以内配送の買い物代行サービス
創業次期:2012年7月
投資時期:2014年6月
投資ラウンド:シリーズB

LE TOTE
概要:女性服のサブスクリプションレンタルサービス
創業次期:2012年1月
投資時期:2013年8月
投資ラウンド:シード

BufferBox
概要:EC購入品の受け取りボックスの提供
創業次期:2011年6月
投資時期:2012年8月
投資ラウンド:シード
2012年11月にGoogleが買収

Priceonomics
概要:あらゆるものの適正金額を調査するサービス
創業次期:2011年12月
投資時期:2012年5月
投資ラウンド:シード

Custora
概要:EC事業者向け顧客分析サービス
創業次期:2011年
投資時期:2012年1月
投資ラウンド:シード

Eponym
概要:メガネ販売プラットフォーム
創業次期:2010年4月
投資時期:2012年
投資ラウンド:シード

CarWoo!(シャットダウン)
概要:オンラインのカーディラー
創業次期:2008年10月
投資時期:2010年1月
投資ラウンド:シード

人工知能系スタートアップ

Nervana Systems
概要:ディープラーニングのハード&ソフト
創業時期:2014年
投資時期:2014年4月
投資ラウンド:シード

Vicarious
概要:神経科学と生物学を活用し非構造化データを人間レベルで認識するアルゴリズムの開発
創業時期:2010年
投資時期:2014年3月
投資ラウンド:シリーズB

教育領域スタートアップ

Clever
概要:Eラーニング向けのID管理サービス
創業時期:2012年
投資時期:2014年3月
投資ラウンド:シリーズA

Panorama Education
概要:文化・安全性・いじめの有無などステークホルダーのために学校を分析するサービス
創業次期:2012年
投資時期:2013年10月
投資ラウンド:シード

その他領域特化型サービス

Patreon
概要:クリエイター支援特化のクラウドファンディング
創業次期:2013年5月
投資時期:2014年6月
投資ラウンド:シリーズA

WeVorce
概要:円満離婚サポートサービス
創業次期:2012年
投資時期:2013年11月
投資ラウンド:シード

PlanGrid
概要:建築業界向けドキュメント管理アプリ
創業次期:不明
投資時期:2012年5月
投資ラウンド:シード

Exec
概要:ハウスクリーニングサービス
創業次期:不明
投資時期:2012年5月
投資ラウンド:シード

Couple
概要:カップル向けクローズドSNS
創業次期:2012年1月
投資時期:2012年5月
投資ラウンド:シード

Virool
概要:ビデオをバイラルさせるキャンペーンプラットフォーム
創業次期:2011年8月
投資時期:2013年2月
投資ラウンド:シリーズA

ということで

個人の投資先を見る限りは、特別、医療とかバイオの領域に強いという感じではなさそう。YCが医療やバイオにフォーカスし始めたのはこの記事で触れられているように、サム個人の強みとかバックグラウンドは関係なく、市場の潜在的ニーズとビジョンによるものが大きい模様。

今までインターネット領域の知見を活かしたスタートアップのセレクションと育成を行ってきたYCが、医療やバイオの領域でスタートアップに対しどんなバリューを提供していくのかはちょっと気になる反面、楽しみでもあるなーと思いました。

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Yコンビネーター最新DemoDayで気になったスタートアップをピックアップしてみた


先日行われたYコンビネーターのDemoDay。今回は55社のスタートアップがピッチしたらしいです。一覧はこちらのサイトに書いてありますが、個人的に気になったスタートアップをいくつかピックアップしてみました。

プレゼン資料清書サービス「SketchDeck」

プレゼン資料を清書することに特化したクラウドソーシング。紙やホワイトボードに書いたスケッチや下書きのパワーポイント、スキャンした書類をデータで送るとデザイナーが24時間以内に清書済みのPPTファイルを納品してくれる。

プレゼン資料作成は骨子となる内容の80%は最初の20%の時間で完成し、残りの20%は80%の時間がかかる、というパレートの法則が当てはまるような気がしているので、アウトソーシングすることで資料作成の生産性はかなり向上するのでは。

労働集約型のリサーチ業とかコンサルティング業では絶対ニーズがあるだろうなぁ。情報の漏洩とか大丈夫かな?と思ったけど、デザイナーとは機密保持契約をきちんと締結するらしいです。ちなみに、これは昔から欲しいと思っていたサービス。日本でも展開できるといいっすね。

iOSアプリA/Bテスト・ツール:TAPLYTICS

iOSネイティブアプリの場合、軽微な内容の変更だとしてもいちいちアップルに申請し、ユーザーにアップデートしてもらわないと新バージョンのアプリを提供できないため、Webサービスのような短いサイクルでPDCAを回せないという問題がありました。

TAPLYTICSを使うとアプリにSDKを組み込むだけでアプリの画面UIをリアルタイムに変更したりデータを計測できるようです。これすごいなーと思ったのですが、どうやら同様のツールがいくつかあるらしい。

・Artisan
・Apptimize
・Splitforce

ユーザービリティ向上のスピードが上がることで、もっと使いやすいアプリがどんどん生まれてきて欲しいところ。

自然言語認識API:Wit

アプリやデバイスにSiriのような音声インターフェースを組み込むことができる開発者向けAPI。スマートフォンの時点で既に文字入力が面倒と感じているのですが、ウェアラブル時代になると文字入力はもはや不可能になっているはず。

センサーとしてのみ機能するものは別だけど、何らかの操作が必要となるウェアラブルデバイスやIoTデバイスの主となるインターフェースは一旦、音声がメインとなりそう。その場合、開発者側でいちいち自然言語解析のシステムを作ってられないので、Witのようなプレイヤーの出番が増えそうですね。なんとなく、すぐどこかに買収されそうな気がするスタートアップ。

番外編:Olark

今回のDemoDayとは関係ありませんが、以前YCから出資を受けているOlark。Webサイトを訪れたユーザーとリアルタイムにコミュニケーションできるチャットサービスですが、今回のDemoDay参加者の主にB2B系Webサイトへの実装率が高かったのでピックアップしてみました。

上記で紹介したSketchDeckTAPLYTICS、その他kimonoとかVIDPRESSOのサイトの右下や左下を見てみて下さい。

ユーザーからの質問へリアルタイムに対応しなくてはいけないので、サポートコストが結構掛かりそうな気がしますが、Olarkの導入でCVRがどの程度上がるかがちょっと気になります。日本でも比較的高単価な商材を扱うサイトであればいい感じにワークする可能性があるかも、と思いました。

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2011年夏学期から2年。書籍「Yコンビネーター」に登場する64社のスタートアップのその後を追いかけてみた

書籍「Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール」を読んでます。

大体2/3くらい読み終わりましたが450ページと想像以上にボリューミーで読み終わりまであと1日くらいかかりそうな感じ。どんな本かというと、シリコンバレーで有名なベンチャーキャピタルであるYコンビネーター(以下YC)の2011年夏学期に参加したスタートアップが過ごす3ヶ月間の葛藤を描いているのですが、悲喜こもごもありなかなかおもしろいわけです。

読み進めているうちに内容もさることながら彼らが現在どのような状況なのか気になってしまったので、少し調べてみました。2年という年月はあっという間に感じてしまうものですが、スタートアップにとってみると環境に大きく差がつく期間なんですねーやはり。

YC卒業後$1M以上調達したスタートアップ=23社

調達額が全てでは全然ないと思うけど、客観的にプロダクトなりサービスが評価されている証拠だとも言える資金調達。シリコンバレーでは大きな金額ではないけれど、1ドル100円計算で1億円なので、やはり結構な金額です。調達金額が高い順に5社抜き出してみました。

Rap Genius(ラップ歌詞の注釈データベース) $15M
Codecacademy(プログラミング学習用オンラインコース) $12.5M
Meteor(クラウドのデータを管理するための開発者向けツール。) $11.2M
TightDB(デベロッパー向け簡易データベース) $8.97M
Vidyard(企業向けユーチューブ) $6M

YC卒業後買収されたスタートアップ=9社

買収金額が明らかになっているところは少ないですが、Apple,Salesforce,Twitterなど有名どころの企業がYC出身スタートアップを買収しています。金額が公開されているParse(モバイルアプリ開発者のデータをクラウドに保管するサービス)は今年4月Facebookに$90Mで買収されました。このスピード感と規模感がさすがアメリカ!それ以外の8社を列挙します。

Embark(公共交通利用者向けモバイルアプリ)⇒Appleが買収
Clutch.io(アプリ向けA/Bテストツール)⇒Twitterが買収
GlassMap(位置情報を共有するアプリ)⇒Grouponが買収
Stypi(オンラインの共同文書編集管理システム)⇒Salesforceが買収
Snapjoy(写真の整理・共有サービス)⇒Dropboxが買収
TapEngage(タブレット向け広告制作)⇒Dropboxが買収
PageLever(企業のFBページのファンを分析するサービス)⇒Unfiedが買収
Munch on Me(レストラン向け日替わりクーポン)⇒CollegeBudgetが買収

YC卒業後ピボットしたスタートアップ=9社

ピボット(=サービスの方向転換)を行った会社は9社あり、中でもチャットアプリから開発者向けサービスへピボットしたFirebaseは2013年6月に$5.3Mの調達を行うなど、順調そうに見えます。

ただ、本の中で期待されていたCampusCredが大学講義向けアプリにピボットしてしまい、その後鳴かず飛ばずな感じなのが少し残念。YC参加中にピボットするケースは非常に多いようですが、卒業後にピボットして成功しているケースはもしかすると少ないかも。

YC S11参加スタートアップと現在の状況一覧はこちら


※参加スタートアップとサービス内容は本から引用し一部加筆修正しています。

眺めてみると圧倒的にB2Bが圧倒的多数。B2Cもあるのだけれど、2年後の生存率を見るとやはり結構厳しいかも。ただ、Rap Geniusのように当たると大きいので挑戦してみるのもいいかもしれないですね。

YCはこれらのスタートアップに対し株式7%と引き換えに1.1万ドル〜2万ドルを初期に投資しています。仮に全てに2万ドルを投資したとしても合計で128万ドル。おそらくParse1社の売却でペイできているだろうから、やっぱりすごい仕組みだなーと思いました。