Category Archives: サービス考察

Facebookが創業以来買収してきた43社を分析したりTwitterと比較してみたりした


TwitterAppleAmazonに続き、今回はFacebookの買収リストを作ってみました。情報ソースによってバラつきがありますが、2004年の創業以来43社の企業を買収してきたFacebook。まずは時系列毎に買収してきたスタートアップをリストアップしてみます。

で、これをスタートアップのジャンルや買収の目的と考えられる5つの要素に整理してみました。

「SNS/位置情報」・・・Facebook同様のSNSや位置情報共有など特化型SNSを運営
「顔認識/写真共有」・・・写真共有サービスや画像処理テクノロジ、顔認識サービスなどを開発
「広告/収益強化」・・・アドネットワークやFacebookのマネタイズの助けとなるサービスを運営
「デザイン/開発強化」・・・バックエンドのサービスやデザインを得意とする開発会社
「開発者向けプラットフォーム」・・・アプリやゲームなど、開発者向けプラットフォームを運営

2011年からスマホ領域の買収が一気に増加

2007年から2011年までPC関連の買収が中心でしたが、それ以降はスマホ領域のスタートアップの買収が一気に増加しています。そういえば昔のFacebookのスマホアプリはHTML5で動作が遅く使いづらいと評判だったなぁ。モバイルの収益化も遅れていて大丈夫か?なんて言われていたけど、今や広告売上の半分はモバイル経由。買収したこれらの企業も寄与しているかもですね。

また、FacebookのIPOは2012年5月でしたが、IPO前後の4ヶ月間でInstagramを始め、一気に10社ほどスタートアップを買収していることが分かります。

Twitterの買収と比較してみる

これは以前作成した、Twitterが買収してきたスタートアップをカテゴリ分けした図。

これを見ると、Twitterはソーシャルリスニングやビッグデータ分析系、セキュリティ系のB2Bスタートアップを結構買収していましたが、Facebookはこれらのジャンルの企業をほとんど買収していません。同じSNSでも買収する企業の種類に違いが見て取れるのは、設計思想やマネタイズや将来のビジョンから来るものなのか、なかなか興味深かったです。また、創業から上場までの買収件数はTwitterもFacebookも同数の29社でした。

このシリーズの次回は、ハードウェアの領域へ進出してきているGoogleの買収リストを頑張って作ってみたいと思います。


Snapchatが想像以上に世界中で流行っていて驚いたのと、日本での流行を阻んでいるのはやっぱりLINEなんだろうなぁと思う件


最近、Facebookを脅かすサービスとして、「Snapchat」の文字をメディアで見ることが増えてきたような気がします。

Snapchatは送信されたデータがすぐに消去されるので、アメリカのティーンエージャーがSextingをはじめとする仲間内のコミュニケーションに使う分には適しているサービス、らしい。

Snapchat=アメリカのティーンエージャー向け、という文脈で紹介されていることが多いような気がするのだけど、他の国では流行っているのかな、どうなんだろ。

ということで、アプリのストアランキングが調査できるAppAnnieで各国のSnapchatのランキングを調べてみました。対象はiOSでSnapchatがカテゴライズされている「Photo and Video」カテゴリの2013年12月の平均順位を調査しました。

欧米圏(アメリカ・イギリス・スペイン・フランス)

アメリカだけじゃなく、ヨーロッパでも同じく人気みたい。特にフランスとイギリスはすごいなー。

南米(ブラジル・アルゼンチン・ペルー・ウルグアイ)

ヨーロッパだけでなく、南米でも人気の模様。ラテン系の若者が楽しそうに写真を送り合う姿は容易に想像できるかも。

アジア(インド・中国・韓国・シンガポール)

シンガポールはなんとなく分かるんだけど、インドでも人気らしいのが意外。韓国と中国ではイマイチ火がついていないらしい。

日本

まわりで使っている人いないもんなー。

まとめ

欧米圏と比較すると勢いは少し落ちるけれどアジアでも人気なSnapchat。ただし、中国、韓国、さらに際立って日本のランキングは低い。

この結果だけを見ると、この記事みたいに「日本がガラパゴスだから」とネガティブに考えてしまいがちですが、日本の10代〜20代のコミュニケーションはLINEで事足りてるんだろうなぁ。同じように韓国にはKakao Talkがあり、中国にはWeChatがあるわけです。

情報がアーカイブ化されてきた従来のインターネットとは異なり、コミュニケーションのログが消去されるというSnapchatの新規性はとてもよく理解できるし、欧米圏の若者が監視も炎上もない自由なコミュニケーションをする上で都合が良かったのはなんとなく分かる。ただ、それは「友人と楽しくコミュニケーションする」という目的を果たすひとつの手段にしかすぎない気がするし、その目的は日本ではLINEによって達成されちゃってるんじゃないのかなぁ。ログが消える機能はないけど。

ただ、画像や動画が削除されるということは、かなり際どいコミュニケーションが可能になるし、やっぱりそれって楽しいんだろうなぁ。それが続くとSnapchatでのコミュニケーションって楽しいよねっていう感じに仲間内でなっていって、LINEの楽しさ+スピード+利便性よりSnapchatの楽しさの方が上だと思ったコミュニティから使いはじめるんだろうか。

いずれにせよ、個人的にはSnapchatが日本でどうやって受け入れられるのか、とても関心があるので継続的にウォッチしていきたいと思います。


Amazonが20件の企業買収で強化しようとした領域を整理してみた


最近、TenMarksを買収したことでEdtechに進出か、と話題になったAmazon。
ますます巨大化して生活の大部分に浸透し始めているAmazonが10年後、どんな姿になっているのかはまだ誰にも分からないけど、Amazonが買ってきた企業を見ると、今後どんな分野に力を入れていきそうか見えたりするのかも。そんなことをふと思ったのでまとめてみました。

公開されてる情報を見る限り、直近5年間で20社を買収しているAmazon。買収した企業をそれぞれ「Kindle」「TV/音楽」「決済」「EC強化」「教育」の5カテゴリに分類してみました。

最近頑張っているKindleの強化に役立ちそうな企業や、屋台骨のEC関連の企業はコンスタントに買収してます。Kindleとの相性がいいEdtech関連の企業買収は今後も増えていきそう。

また、決済関連も気になるところ。最近自前の決済サービスとして「Login and Pay with Amazon」を発表したけど、直近で買収したGOPAGOはリアル店舗で使うPOSのシステムを作っている会社。オンライン/オフラインどちらの決済にも本気で乗り込んでくるのかな?なんて妄想が膨らみます。

少し意外だったのは、Amazon Web Service(AWS)関連の企業は少なくともここ5年間は買ってないこと。AWSは将来的にはECを超えるAmazon最大の事業になるとジェフ・ベゾスが何度も言っている重要な事業領域ですが、自前のテクノロジーで頑張ってるみたいです。

以前のエントリでTwitterの買収リストを作りましたが、Twitterが創業1,2年の企業をバンバン買収しているのと比較すると、Amazonは創業してある程度年数が経っている企業を買収している傾向にある気がします。扱っている商材の影響だと思いますが、その辺りの違いも見れてよかったかも。

次はこれのFacebook版を作ってみようかと思います。


参入が相次ぐスマホ決済のビジネスモデルをおさらいしてみる





SquareCoiney楽天Paypal Hereなどたくさんのプレイヤーが参入していて今確実に熱いと言えるスマホ決済の分野。

リクルートが参入してくるかも?なんてこの前の記事で書いたけれども「なぜみんなこぞって参入してきてるの?」と聞かれたら簡潔に答えられなそうなことに気が付きました。自分の頭を整理するためにも、まずは前提となるクレジットカードのビジネスモデルから図に表してみました。

クレジットカードのビジネスモデルにはブランド、イシュア、アクワイアラという3つのプレイヤーが登場します。それぞれブランドはクレジットカードを使う上でのプラットフォームの構築を行い、イシュアはカード発行を担当し、アクワイアラが加盟店の開拓・管理を行います。

図の例で説明すると、買い物客が10,000円の服をクレジットカードで買うとお店は250円の決済手数料をアクワイアラに支払います。するとアクワイアラはイシュアに160円とブランドに10円の手数料を支払い、さらにイシュアはブランドに10円の手数料を支払います。(手数料はイメージ)

つまりアクワイアラは10,000円の1取引あたり80円の手数料収入を得ることになり、より多くの店舗を開拓しているアクワイアラが多くの儲けを生み出すことができるわけです。

小規模店舗向けは白地のマーケット

一方で、クレジットカードが導入できていない個人事業主や中小企業は190万あると言われています。(中小企業庁調べ)

その理由はいくつかあって、クレジットカードの審査が煩雑だったり、クレジットカードの読み取りに必要な端末(こんなの)の設置・維持費用が高いこと、クレジットカードを使うと現金取引よりも支払いサイトが長いことなど、お客さんにとってみるとクレジットカードが使える店の方が便利なのはわかっているけど、ハードルの高さから導入を見送っている状況だったようです。

そういうことを考えると、各社が取組むスマートフォン+カードリーダーの決済ってまさにスマート。スマートフォン自体に通信機能があるので従来の端末が必要なくなるし、サインも画面で書けるのでペーパーレス。入金のサイトを短くすることで店舗側の負担は最小限におさえることで、今まで存在しなかった個人事業主向けのアクワイアラになろうとしているわけです。

仮に190万の個人事業主・中小企業がそれぞれ1,000万円の決済を行ったとすると、毎年数千億円規模の売上がアクワイアラに入ることになります。このマーケットの巨大さが相次ぐ参入を生んでいるんでしょうね。

いかに多くの店舗を囲い込めるか

当然ながら多くの店舗を獲得したプレイヤーが多くの売上を得ることができます。各社手数料や支払いサイトなどで勝負していますが、自社のサービスを採用してくれる店舗の獲得にはやはり営業力が必要なようです。

日本に地盤のないSquareは三井住友、少人数のスタートアップであるCoineyはセゾンといった既存のアクワイアラと組み、その営業力を活かしながらこのマーケットでどのような陣取り合戦を行っていくんでしょうか。もしかしたら今後後発でやってくるかもしれない巨人が一気に市場を席巻するかもしれないですし、この分野は市場が大きい分目が離せません。

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リクルートも決済に本格参入するかもなーとAirレジのリリースを見て妄想を掻き立てられた話

昨日のお昼ごはんはとんかつを食べたのですが、注文は店員さんがiPhoneで取るしレジはiPadだし六本木はなんだか最先端だなーと思いました。企業では浸透しているITも飲食店を始めとするリテールの店舗ではまだまだだったりするのですよね。そんな中、リクルートが「Airレジ(エアレジ)」という無料のレジアプリをリリースしていました。

ユビレジの分野にリクルートが来たかーとおもったのですが、ユビレジと異なり、リクルートのエアレジは初期費用も月額費用も無料らしい。リクルートの狙いとビジネスモデルはなんなのでしょうか。

フリマアプリに続き決済も群雄割拠の戦国時代へ

事業モデルが分からないときは、そのサービスの利用規約を見るとヒントが隠れていることがよくあります。今回の場合、第3条にそのヒントが書かれていました。

第3条(本サービスの機能)
本ソフトウェアを使用して利用できる本サービスの機能は、次の各号のとおりとします。
(中略)
(4)当社が個人ユーザー向けに別途提供するアプリケーションソフトウェア「Airウォレット」(以下「Airウォレット」といいます。)の利用端末画面上に表示される店舗に関する情報(以下「事業者情報」といいます。)の登録

(5)当社が管理・運営する会員プログラムIDであるリクルートIDを保有し、かつ、Airウォレットを利用している顧客(以下「Airウォレットユーザー」といいます。)に対するリクルートポイント(当社が管理・運営するポイントプログラムにおいて利用可能なポイントをいいます。以下同じ。)の付与およびAirウォレットユーザーが保有するリクルートポイントの利用による代金精算を可能とする、当社独自のポイントプログラム(リクルートポイントの付与条件および利用条件等は、別途当社が定めるとおりとします。)の利用

つまり、AirレジはAirウォレットなるサービスと連携することができて、AirウォレットはAirレジ店舗で財布の代わりとなることができるってことみたいです。Airウォレット自体はまだリリースされていないようなので詳細は分かりませんが、この流れはたぶん決済もやるんだろうなぁ。
Breadcrumbというサービスで決済の分野に参入したGrouponとリクルートが持っているアセットが似ているような気がします。

CoineySquareのようなカードリーダー型の決済か、Airウォレットを活用した決済なのかは分かりませんが、リクルートはクレジットカードも持ってるし、ポイントプログラムも持ってるし、強靭な営業リソースも持っているしなんだか強そう。ただのレジ機能だけじゃなくCRM機能もついてるから、導入側としては他サービスよりも魅力を感じてしまうかも。

フリマだけじゃなく決済の分野も戦国時代ですね。