Category Archives: サービス考察

サービスを爆発的に普及させるための「無料化」は改めて強いと思った



スマホ乗り換えによるサービスのリリースラッシュが落ち着いたことで、スマホ領域の特にコンシューマー向けにおいては爆発的にユーザーを延ばす新規サービスが出にくくなっているように感じます。もはや新しいアプリを積極的に探さないし、必要なサービスは揃い始めている。

今後どんなサービスが流行るかはまったく想像できないのだけれど、近年流行してきたサービスって当たり前っちゃ当たり前ですがお金の掛かる体験を無料化するものが多かったなーと改めて思ったのでメモがてら書いておきます。

娯楽コストの負担

多くの場合、新しいサービスは若者から広まっていく。そして若者の大多数は日常的に使えるお金が限られているわけです。彼らが日頃お金を払って得ている娯楽的体験をサービス提供側がコスト負担することで、以下のようなサービスは爆発的に普及したなぁと。

・電話代の無料化 :LINE
・ゲーム代の無料化:ソシャゲ(とはいえハマると課金)
・マンガ代の無料化:無料マンガアプリ
・雑誌の無料化  :キュレーション系各種サービス

うーん、最後のはちょっと微妙かも。あと少し違うけど、そういえばノハナのフォトブック無料も大きなインパクトを与えました。また個人事業主や法人向けサービスだけれど、無料インスタントEC製作サービスのBASE、Stores.jpと手数料無料の決済代行サービスSpikeも有料サービスでは考えられないスピードで順調にアカウントを増やしています。

特にコミュニケーション領域はサービスが飽和しているので、何か新しいサービスを考えている人は、お金を払うことに疑いすらもたないコト・モノをあえて「無料化」してしまうという切り口で色々企画を練ってみるのもよいかもしれません。



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最優秀賞は「AgIC」 TechCrunchTOKYO2014 #tctokyo の「スタートアップバトル」をリアルタイムにまとめるよ


TechCrunchTOKYO2014にメディア枠としてご招待いただきました。初日のセッションは本家TechCrunch調べるおさんがまとめているので、2日目の目玉イベント、スタートアップバトルについて各社のプレゼンをまとめてみます。※表彰結果を末尾に追記しています。

1社目:mikan

圧倒的に一番早く覚えられる英単語アプリ。mikanが実現したい未来は2020年総バイリンガル計画。通常は、1冊の単語帳の記憶に3か月以上かかるが、mikanだと1,000単語を1日で覚えられる。TinderのようなUIで分かる単語は右、分からない単語は左にスワイプ。分からない単語はまた出てくるので記憶の定着に役立つ。学習が終わるとテストが始まり、正解・不正解/迷った時間から、サジェストする問題をmikanで生成する。アプリリリースから3週間で10万DLを達成。学習された単語が732万単語を突破。

2社目:XZ(クローゼット)

既存のコーディネイトやフリマアプリは「図鑑型」のサービス。女性の本当の課題はいつも同じ服ばかり着ていると思われたくない。XZはタンスに眠る洋服の魅力を引き出す新しい着回し提案のアプリ。ユーザーは自分の持っている洋服を登録し、自分や他のユーザーのクローゼットからアイテムを選びコーディネートを作成する。自分のアイテムが選ばれるとお知らせが届き、他のユーザーがどんなコーディネートを作成したか見れるので、新しい着回しを発見できる。リリースから2か月で72,000アイテムの登録。着回しアイディアは1.2万件突破。B2B、B2C、データベースからの広告課金を目指す。

3社目:Akerun

紛失して警察に届けられた鍵28万本/年、引っ越しの際に発生する鍵交換代金は216億円/年。シェアオフィスやコワーキングスペースの鍵受け渡しニーズが高まっており、旧来の鍵では不便になってきている。Akerunはスマートフォンを鍵の代わりにするハードウェア。ドアのつまみの部分にAkerunを設置するだけで、Bluetoothで自動的に開閉ができる。Akerunは組み合わせで進化するデバイス。例えば、Akerun×SNSアカウントで友人に鍵を開ける権限を付与できる。Akerun×Webカメラで不在時でも宅配員に荷物を置いてもらうことができる。Akerun×家電で入室したら家電を自動的スイッチオンにできたりする。単に電子鍵市場だけでなく、「扉」を抑えることで不動産市場に踏み込んでいける。既にHome’sアプリと連携して内見の鍵開閉を実現している

4社目:WOVN.io

たった1行のスクリプトでWebサイトを多言語化できるサービス。世界30億人のネット人口のうち日本語ユーザーは5%しかおらず、日本語のみのページの場合、非常におおくの機会損失。一言で多言語対応といっても、翻訳だけでは終わらず、裏側ではたくさんやるべきことがある。WOVEN.ioは面倒なことを一手に引き受ける。WOVN.ioからスクリプトをコピーし、多言語化したいHTMLに1行コードを挿入。ダッシュボードで単語ごとに自分で翻訳。自分で翻訳できなければ、有料で翻訳を頼むことができる。リリースから4ヶ月で3,000ドメインの登録(しかもほぼ法人)、新規ユーザーは7割海外から。既に50,000ページが多言語化されている。継続率は12週間で8割以上。ビジネスモデルは有料版の提供と翻訳家の手数料収入。

5社目:MATCH

勉強は退屈でつまらない、教育は楽しいものでなくてはいけない。MATCHは最も興奮する100秒の勉強法を提供するモバイルアプリ。日本史、世界史、一般常識などをBluetoothで友達と対戦できる。対戦のUIはBrainwars風。4択や穴埋めクイズを10問100秒で解く。収録問題数は日本史は7,000問、世界史も7,000問。問題集関連市場は3,500億円だがゲーミフィケーションの活用で大きなアップサイドが取れるのでは。今後は教科と対象学年を増やし、ゲーム性とソーシャル性を加えていきたい。

6社目:AgIC

3Dプリンタの登場、プロトタイプ製作のスピードとコスト削減によりスタートアップでもハードウェアを作る所が増えてきた。しかし、電子回路は設計、製造、試験まで1週間以上/1〜2万円掛かるため、ボトルネックとなっていた。AgICは導電性のインクにより、電子回路のプロトタイプ製作スピードを劇的に早くする。具体的には、AgICのインクを家庭用のインクジェットプリンタに入れ、紙に印刷する。紙の上に電子部品を置けばそれだけで電子回路のテストができる。KickStarterで800万円調達。東大、スタンフォード、NTT、GoogleなどR&D機関が既にAgICの顧客。

7社目:Bizer

中小企業のバックオフィス担当は広報/総務/人事/法務といった業務を兼任している場合が多く忙しい。社員を新たに雇用する際、専任担当がいないと手続きが分からず、多くの時間を調査や慣れない業務に費やしている。Bizerは月額2,980円でバックオフィス業務の段取りを整えるサービスを提供している。社員雇用を例にすると、Bizer上で雇用のイベントを作成。そうすると採用通知書の発行、社会保険の手続き、名刺手配等採用に関するバックオフィスのタスクが表示される。タスク管理の機能があるので、完了していくことで抜けもれなく仕事ができる。社会保険の書類作成ボタンを押せば必要な帳票に印字もしてくれる。しかも社労士資格保有者に相談し、24時間以内に解答を貰うことができる。5月にローンチし、300社のユーザーが利用中。

8社目:FiNC

ダイエット家庭教師。ダイエットの課題は大きく4つ。自分に会うダイエット方法が分からない、近くにジムがない、1人では続けられなそう、リバウンドするのが怖い。FiNCはクラウドソーシングで育成した栄養士/トレーナーとユーザーを結ぶダイエットコーチアプリ。まず遺伝子血液、生活習慣から専門家がダイエットメニューを作成。ユーザーは日々の体重や食事を投稿すると専門家から30-60min程度でアドバイスが来る。エンターテイメント的な要素を持たせ継続させる工夫もさせている。プランによってはスカイプでカウンセリングを受けることもできる。FiNCを使うことで平均6kg痩せることができる。ビジネスモデルは期間中の費用だけでない。FiNC卒業生の40%が遺伝子や習慣にあった食事が届く定期購買契約を結び、客単価は1万円を達成している。

9社目:スペースマーケット

世界中のスペースを1時間単位で簡単に貸し借りできるマーケットプレイス。採用のセミナールーム、結婚式2次会会場、開発合宿等、会場手配は大変。一方で休日の企業のセミナールーム、結婚式場の平日昼間、営業時間外の飲食店、水族館は空いている。スペースマーケットはスペースを借りたい人と貸したい人を結ぶプラットフォーム。現在、古民家、お寺、お化け屋敷といったユニークな場所含め1,200以上のスペースが流通している。プラットフォーム上ではオンライン上で決済含めワンストップで予約が完了できる。マネタイズ的には場所代の20-40%を手数料。直近3ヶ月で3倍の伸びを見せている。

10社目:Bento.jp

お弁当をスマホで注文、20分で届けるデリバリーサービス。2タップで注文でき、配送料含め500円で頼める。実績は初回→2回目のリピート率は47%、3回目移行は80%で直近3か月で300%成長している。オンデマンドデリバリーをどうやって実現しているかというと、エリア中の購買情報が蓄積しており、注文が集中しているエリアに在庫を持ったスタッフがスタンバイし、注文があれば自転車で配達している。欲しい時にほしいものを届けるオンデマンドデリバリーのプラットフォームを目指しており、全国の有名カフェの美味しいコーヒーをオンデマンドで届ける新サービスを12月から開始予定。コンビニがファミレスや定食屋からランチの市場を取ったように、Bento.jpがオンデマンド市場を取っていきたい。

11社目:yTuber.tv

YouTuberを利用したテレビのようなスマホアプリを開発。調査結果によると10代のアメリカ人に最も影響を与えているスターはハリウッドでなく既にYoutuberとなっている。日本人は一人あたりの動画視聴時間はアメリカの約3倍。なので、日本でもこの流れに従うはず。動画視聴における課題は、自分にあったコンテンツの検索が困難。あとはネットの動画視聴は孤独感を感じやすい。ワイテレは番組表上に数分の動画が番組としてまとめて視聴できる。動画を見ながらチャットができるコミュニケーション機能もある。Chrome castにも対応。

12社目:openlogi

ストア開設ハードルは下がったが、ECのボトルネックは物流。物流の構築にはノウハウと多くの時間が必要。アマゾンのフルフィルメントサービスですら、非常に煩雑な操作と多くの画面遷移が必要。openlogihはアウトソーシングしたい人と物流企業をマッチングするプラットフォーム。3画面、3ステップのシンプルなUIを提供することで物流知識がないEC事業者でも使え、物流業者にとっても業務標準化に繋がる。

表彰結果:最優秀賞はAgIC

以下の延べ9社がスポンサー賞を受賞し、審査員賞としてopenlogi、最優秀賞としてAgICが選ばれました。非常にレベルの高いチームばかりで、プレゼンの分かりやすさももちろんですが、サービスを支える確かな技術力や解決する課題の魅力が光った12社でした。特に最優秀賞を獲得したAgICはこれからのハードウェア/IoT時代を支える素晴らしいプロダクトだったと思います。AgICチームのみなさん、おめでとうございます!

スポンサー賞:
インテル賞:AgIC
AWS賞:mikan
ぐるなび賞:FiNC
グローバル・ブレイン賞:Akerun
ConoHa by GMO賞:openlogi
PRTIMES賞:AgIC
ビットアイル賞:MATCH
Paypal Startup Blueprint賞:WOVN.io
Microsoft賞:WOVN.io



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Instagramのデータから見る「自撮り好き都市」ランキング

海外の若年SNSユーザーのトレンドとなっているSelfie(自撮り)ですが、TIMEが興味深い調査を実施していました。

The Selfiest Cities in the World: TIME’s Definitive Ranking

Instagramのユーザーが写真につける「Selfie」タグと位置情報を抜き出し、都市別にランク付け。Selfie(自撮り)がよく撮られる都市が明らかになっています。調査対象全459都市中、1位から5位は以下の通り。

1位 Makati City and Pasig, Philippines
2位 Manhattan, N.Y.
3位 Miami, Fla.
4位 Anaheim and Santa Ana, Calif.
5位 Petaling Jaya, Malaysia

TOP5のうち2つが東南アジア。確かにFacebookやInstagramのトレンドを見る限り、東南アジア系の方々の自撮り写真が非常に多くアップされているイメージがあります。ちなみに日本は東京が413位、大阪が418位とかなりの下位。日本では「Selfie」という英単語がそれほど一般的でないので、タグがついた写真が少なくこんな順位になってると思われますが、それでも東南アジア勢に比べると自撮りする人はかなり少ないような気がします。

僕は自撮りもビデオチャットもちょっと苦手なのですが、この前書いたように、最近の若い子たちの間では自撮りへの抵抗感は薄くなっているらしい。実名と顔を晒すことが馴染まないので日本では難しいと言われてたFacebookが、楽しさと利便性がそれを上回ったことで流行ったように、日本でも自撮り文化が到来するのでしょうか。このあたりはmixiのmuukが流行るかどうかが大きく左右するかもしれません。


クローンと言われようがSnapchat的サービスを日本でリリースするのは全然アリだと思う

mixiからmuukというサービスがリリースされました。自分の表情をセットにした写真を友だち同士で共有できるメッセンジャーアプリらしい。

狙いはSNS離れの若年層、ミクシィがスナップチャット風アプリ「muuk」公開

写真は閲覧後すぐに削除されるため、仲間内だけの変顔や悪ふざけの写真を気軽に送ることもできそうだ。

という説明にあるとおり、Snapchatが作った新しいトレンドに被せてきたサービス。そういえば、ヤフーはコミュカメラ、DeNAは5sec snaps、リクルートはSeeSawを出していたりと、Snapchatクローンが大手からゴロゴロと出ているような。

Snapchat的サービスが出てくる理由

世界中で流行していて、「消える写真でコミュニケーション」という新しい文化を作っているSnapchat。今のところ日本でイマイチだとしても、世界中で流行っていることが分かっているのだから、Snapchatクローンだと後ろ指刺されたとしても、この領域のサービスを本家が流行する前にリリースしておくのは全然いいんじゃないかなぁと思ったりしました。日本で流行るかどうかは分からないけど、他人に取られるくらいだったら自分たちでやる!みたいな。

特にmixiはSNSの圧倒的シェアを持っていたのにかかわらず、当時日本では流行らないと言われていた実名SNSのFacebookにユーザーを持って行かれた苦い経験があるので、同じことは繰り返したくないはず。

Snapchat的サービスは日本で流行るのか

サービスのターゲットではないので、流行るかどうか正直まったくわかりませんが、Vineで有名な女子高生もインタビューで答えているように、自分の写真を晒すことへの抵抗感が若年層で薄れていることは大きな力になるかもしれません。

Snapchatもmuukも大量の人と繋がる必要性はない、リアルグラフに基づくクローズドなSNS。初速が順調そうなmuukを見てると、日本でSnapchatの存在がユーザーに認知されるよりもmixiというブランドに乗っかったmuukが浸透するスピードが上回ってしまうかも。

そうなると先発だったはずのSnapchatが日本市場で優位性を発揮するのは難しくなる気がするし、たぶん、muukが流行らなければ日本においてはSnapchat的なコミュニケーションのニーズがない、という結論になる気がします。




「Facebookの次」を考える為にネットを使ったコミュニケーションを整理してみた


コミュニケーションってヒトの本能的な欲求だと思うんですよね。

インターネットのおかげで手軽に多くの人とコミュニケーションを取ることができるようになっているけど、年齢や環境の変化で人間関係がアップデートされるように、主要なSNSも移り変わっていくのは仕様がないと思っています。

「Facebookはもうクールじゃない」とか「LINEの既読って疲れる」といった話題を目にする度、将来どんなコミュニケーションが主流になるんだろう?と最近よく考えます。

そこで、インターネットでコミュニケーションが取れる各サービスの状況を俯瞰的に見るためにマッピングしてみました。

ごちゃごちゃした図になってしまいましたが、横軸はテキスト、写真、音声、動画などコミュニケーションの手段を表しており、右に行くほど伝えられる情報量が多いです。例えば、手紙より電話、電話より実際に会った方が短時間に多くのことを伝えられることを想像してみると理解がしやすいはず。

縦軸はコミュニケーションを取る人数を表してます。1対1、グループ内でのコミュニケーション、オープンなコミュニケーションのだいたい3つがあるかと思います。

この図を眺めてみると、情報量と手間が少ないコミュニケーションはアクティブ率が高い傾向にあるように思えます。動画チャットや電話よりもメールの方が気軽だし、文章よりLINEのスタンプはスタンプだけでラリーが続くほど気軽にコミュニケーションが取れるような感覚がします。

今のところ、SNSの主要収益モデルは広告で、広告の売上を増やすためにはユーザー数とアクティブ率、あとはターティングのためにユーザーのデータなんかが重要です。IPOしたFacebookやTwitterがいる左下の領域は、繋がれる人が多く、アクティブ率が高いサービスが所属する領域。

ここ最近は、左上の領域の主にメッセンジャー系サービスが成長してます。クローズドなサービスはネットワーク効果が働きにくいけど、炎上や遠慮が少ない気軽なコミュニケーションが取れるので、今後の主流になっていくのかも。

また、動画系のサービスも注目され始めていて特に、ツイキャスやVineは認知度がかなり上がってきているように思えます。昔は動画ってハードル高いよなーと思っていたのですが、これらのサービスが普及し自分を動画に映し人に見せる心理的コストが下がると、今後、Undaのような1to1の動画コミュニケーションサービスも一般化するかも。

これからさらに、ハードウェア、特に新しいウェアラブルデバイスが出てくることで、どんなコミュニケーションが生まれてくるのか、引き続き見守っていきたいと思います。

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