Monthly Archives: 8月 2015

日本でB2B/Enterpriseのサービスを始めるときに考えるべき市場選択というか勝負の切り口



PCからスマホへのデバイスシフトによる特需やキュレーションメディアラッシュも一段落したことで、スタートアップのテーマとして実業×ITやB2Bの領域に注目が集まってきています。

TheBridgeでひたすらB2Bスタートアップの調達動向を追いかけてきたお陰で、なんとなく日本国内でB2Bスタートアップを立ち上げたりサービスを始める際に念頭に入れておいた方が良いなぁと思うことがまとまってきたのでメモがてら。「どの領域に注目していますか?」と聞かれる質問の直接的な答えにはならないのだけど、以下のアプローチで勝負するB2Bスタートアップを見つけると寄り目がちになります。

切り口①市場性と優位性のあるテクノロジーで勝負する

競合や代替手段を思い浮かべたとしても自社以外に選択肢が無いようなテクノロジーを武器にサービスを展開しているところは当然だけど改めて強いなぁと。最近だとDeep Learningがかなり盛り上がってますね。自分にそのバックグラウンドがあるかもしくは仲間を集められるか次第だけど、圧倒的に高いテクノロジーを持っていることが大きな優位性を持つのは当然だしTech Startupならそうあるべき。

切り口②従来比10倍のUXを提供する

UXの良し悪しがユーザー獲得に大きな影響を与えるB2Cサービスと比較すると、導入意思決定軸の中でUXのプライオリティがそれほど高くないB2Bサービスは進歩が遅くその差は広まるばかり。Slackを代表例に従来型のツールより圧倒的に高いUXを提供することで急成長する領域は全然あるような気がするので、勝負の切り口としては考えてみるのもいいかも。

ただしUX切り口の勝負は「ユーザーと導入意思決定者の距離が近いこと」が大事な条件なので全社で利用するサービスより特定の部門が使うものに限定されるサービスになりやすい。そうでない場合は「UXによる改善効果>スイッチングコスト」の証明が必須で啓蒙営業をせねばならずリードタイムが伸びてしまうので低単価サービスだとちょいと微妙かも。で具体的に10倍UXってなんぞやという話だけど「モバイルフォーカス」や「自動化」「働き方の変化」とかこのあたりはキーワードに入るはず。

切り口③キャッシュポイントをずらし面を一気に抑える

サービスの提供価値自体に課金することが一般的なEnterpriseシステムですが、キャッシュポイントをずらすことで急成長したZenefitsのやり方は結構な衝撃を受けました。人事ERPを無料提供することで一気に面を押さえ、保険料で稼ぐZenefitsのモデルは「そのやり方があったかー」と思えるB2C的な戦い方なのでこのフリーミアム方式を他の領域でできないか考えてみるのもいいかも。

守りより攻め

これは切り口というか個人的な好みなのですが、使うことで良い人が採れたり売上向上に繋がる等、自社の成長に繋がるサービスを「オフェンス型」、オペレーションコストを下げることができるサービスを「ディフェンス型」と呼ぶとすると、オフェンス型の方がアップサイドが大きく、「期待」にお金を払ってもらいやすい(気がします)。

ディフェンス型は導入により削減できるコストが対価の最大値であることに加え、人一人分の仕事を削減しても日本ではレイオフとセットになり難い。ただし導入し誰の効率を上げるかによってコスト削減なのか投資なのかが分かれることもあるので、結局誰の何の問題をどう解決するのか、作ろうとしているプロダクトやビジョンは仲間やユーザーを惹きつけるものなのか、結局はそこが大事だよなぁと改めて。

ということで

久々に考察っぽい記事を書きましたが海外B2Bスタートアップネタを中心に投稿する研究グループを作ってるので興味ある人はぜひご参加ください。

B2B Tech Research

日本と海外は当然ながら商慣習が異なるため安易なローカライズには注意が必要ですが、まだB2B、特にEnterpriseはまだまだタイムマシンが効きやすいのでその辺りもご参考になれば。


photo credit: BigOmaha11_10956.jpg via photopin (license)

TOP of ベンチャーキャピタル Andreessen Horowitzの投資実績(2015年7月編)


NUMBER GIRL風に言うと気づいたら俺は夏だった風景、8月に入り数日が経ちました。連日茹だるような暑さが続いていますが東京の酷暑は露知らず、我らがa16zは元気に7社のスタートアップに投資しています。それでは早速行きましょう。

TOP of ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzの投資実績(2014年7月編)
TOP of ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzの投資実績(2014年8月編)
人工知能ミニカー、ノマド向け検索エンジン他Andreessen Horowitzの投資実績(2014年9月編)
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TOP of ベンチャーキャピタル Andreessen Horowitzの投資実績(2015年1月編)
TOP of ベンチャーキャピタル Andreessen Horowitzの投資実績(2015年2月編)
TOP of ベンチャーキャピタル Andreessen Horowitzの投資実績(2015年3月編)
TOP of ベンチャーキャピタル Andreessen Horowitzの投資実績(2015年4月編)
TOP of ベンチャーキャピタル Andreessen Horowitzの投資実績(2015年5月編)
TOP of ベンチャーキャピタル Andreessen Horowitzの投資実績(2015年6月編)

DigitalOcean(シリーズB投資)

開発者が開発環境を構築するための仮想サーバを非常に簡単&1時間あたり0.015ドル(=約1円)という低価格で利用できるサービスを提供。世界で50万以上の開発者がDigitalOceanを利用しており、存在を認知している日本国内の開発者も多いイメージのサービス。2011年創業で借入含め累計1.73億ドルを調達済み。

Keybase(シリーズA投資)

出会い系サービスOKcupidのファウンダーが立ち上げたまさかのセキュリティスタートアップ。公開鍵のDBらしく、自分の公開鍵を登録し他人から手軽にPGP形式で暗号化されたメッセージのやり取りができるサービスの模様。解決する課題とユースケースがちょっと分からず誰かに教えを請いたい案件。

500px(シリーズB投資)

高品質な写真の共有&購入が可能なSNSというかコミュニティ。競合であるベルリンのEyeEmも有名。今回で累計$23Mを調達しているのだけどこの規模感で既にスタートアップを3社買収しています。どうやらアジア太平洋における相性とポテンシャルの高さを感じており、今回のラウンドではGetty Image中国版の権利や動画共有サイトなどを持っている中国のVisual China Groupから戦略的投資を受けています。

Cazena(シリーズB投資)

大企業のクラウド化を支援するData as a Serviceを開発。データ処理ジョブを単純化したりプロビジョニングを自動化することでビッグデータ処理工数を削減することができるとのこと。Cazenaは創業2014年で大企業向けのサービスなのだけど、まだβらしく導入企業一覧は公開されていません。a16zは前回のシリーズAから引き続きのフォローオンで今回のラウンドはformation8がリードを取っています。

Granular(シリーズB投資)

大規模農園の生産性向上を目的としたソフトウェアを開発。作業員への作業割り振りや生産計画に合わせた日々のtodo立案、売上/コストから農場の生産性分析を行ってくれるとのこと。CEOのSid Gorham氏はOpetableの創業メンバーかつ元COOで、他にもGranularと合わせCEOを3社経験しているプロ経営者。農業関連のスペシャリスト数人をアドバイザーに抱えていたりと漂う大人スタートアップ感。a16zの担当はSlackやIFTTTに投資したJohn O’Farrell氏でGoogle Venturesも今回のラウンドに参加しています。

BlockSpring(シード投資)

ExcelやGoogle Spredsheetsに外部データを簡単にインポートできるようになるアドオンを開発。検索エンジンの検索結果、アマゾンで取り扱われている製品のリアルタイムな価格情報、自社のソーシャル上での評判といった数々の情報をAPI経由で呼び出し関数でスプレッドシートに記載できる。発想がなんとなくIFTTTっぽい。なんだかんだ言って最強のツールであるExcelをパワーアップできるサービスなので、今後の発展が結構楽しみかも。ちなみにYC出身。

Github(シリーズB投資)

今更説明の必要もないくらいメジャーなコード管理&共有コミュニティ。創業は2008年でCrunchbaseによると意外にも今回の$250Mが2回目の調達。先日、初の支社として日本法人を設立したりとアメリカ以外でのビジネスも積極的に行っていく模様。

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