Monthly Archives: 4月 2014

ジェフ・ベゾスが個人で投資するスタートアップの陣容から漂う「未来を作っている感」がヤバイ

photo credit: aliasaria via photopin cc

アマゾン創業者で知られるジェフ・ベゾスですが、個人の投資会社Bezos Expeditions経由でいくつかスタートアップへ投資しています。投資リストを見ると、大きなリターンが見込めそうな手堅い投資もありつつ、未来だなーと思えるような会社が多くてびっくり。Bezos Expeditionsのサイトに掲載されているスタートアップをカテゴリに分類して並べてみました。

大きく成長した話題のサービスにも投資してた

先日大型の調達を実施したAirbnbはじめ、日本にも上陸したUberや昨年上場したTwitterにもシリーズBで投資しています。リターンがすごいことになっていそうですが、早めの段階で目をつけて投資できるってすごい。

Airbnb
概要:宿泊部屋のシェアサービス
創業時期:2008年8月
投資時期:2011年7月
投資ラウンド:シリーズB

Twitter
概要:140文字限定のSNS。2013年にIPO
創業時期:2006年3月
投資時期:2008年5月
投資ラウンド:シリーズB

Uber
概要:オンデマンドのハイヤー配車サービス
創業時期:2009年3月
投資時期:2011年12月
投資ラウンド:シリーズB

Linden Lab
概要:仮想世界セカンドライフの開発
創業時期:1999年
投資時期:2006年11月
投資ラウンド:シリーズB

宇宙/新エネルギー関連への投資

宇宙関連事業といえばSpaceXでロケットを開発するイーロン・マスクをイメージしますが、ジェフ・ベゾスも同様にロケット開発の会社に投資をしており、ベゾス自らがファウンダーを務めています。また、ロケット関連なのか新エネルギーの開発を行う会社に2社投資しています。

Blue Origin
概要:安価なロケット開発。ジェフ・ベゾスがファウンダーを務めている。
創業時期:2011年
投資時期:2011年
投資ラウンド:創業資金

General Fusion
概要:核融合エネルギーの開発
創業時期:2002年
投資時期:2011年5月
投資ラウンド:シリーズB

Sapphire Energy
概要:バイオ燃料の研究開発
創業時期:2007年
投資時期:不明
投資ラウンド:不明

ハードウェア関連への投資

量子コンピュータなんて、マンガの世界だけのイメージでしたが、実際に量子コンピュータの開発を行うD-Waveや3Dプリンタの火付け役のひとつMakerBotにも投資しています。

D-Wave Systems
概要:量子コンピューターの開発
創業時期:1999年
投資時期:2012年10月
投資ラウンド:シリーズC後のVenture Round

MakerBot
概要:3Dプリンターの開発製造。2013年にStratasysが買収。
創業時期:2009年1月
投資時期:2011年8月
投資ラウンド:Venture Round

Rethink Robotics
概要:安価な製造業向け作業ロボット開発
創業時期:2008年
投資時期:2012年6月
投資ラウンド:シリーズC

ヘルスケア/教育関連への投資

USではかなり一般的に使われているらしい診察予約・クチコミサービスのZocDocにシリーズAで投資していたり、起業家養成スクールのGeneral Assemblyに投資していたりと、ここのカテゴリの投資実績もなかなか興味深いです。

Qliance
概要:月額料金のプライマリーヘルスケアサービス
創業時期:2006年
投資時期:2010年4月
投資ラウンド:シリーズB

ZocDoc
概要:診察オンライン予約サービス
創業時期:2007年9月
投資時期:2008年8月
投資ラウンド:シリーズA

Everfi
概要:青少年向け金融教育プラットフォーム
創業時期:2008年
投資時期:2012年8月
投資ラウンド:シリーズB

General Assembly
概要:起業家やクリエイターを養成するOnline/Offlineのスクール
創業時期:2011年1月
投資時期:不明
投資ラウンド:不明

エンタープライズ関連への投資

有名なプロジェクト管理ツールBasecampの開発元へ投資していたり、2012年にIPOしたWorkdayに投資していたりと、堅実にエンタープライズ関連にも投資しています。

37signals
概要:プロジェクト管理ツールBasecampを開発・運営
創業時期:1999年
投資時期:2006年
投資ラウンド:シリーズA
投資金額:不明

Aviary
概要:他アプリ向けに写真編集機能を提供するSDKを開発
創業時期:2007年
投資時期:2012年6月
投資ラウンド:Venture Round

Domo
概要:エンタープライズ向けビッグデータ分析ツール
創業時期:2011年7月
投資時期:2013年3月
投資ラウンド:シリーズB

MFG.com
概要:製造業向けマーケットプレイス
創業時期:2000年
投資時期:2005年9月
投資ラウンド:シリーズA

Workday
概要:エンタープライズ向け人事管理システム。2012年にIPO。
創業時期:2005年3月
投資時期:2011年10月
投資ラウンド:シリーズF

その他カテゴリへの投資

買収したワシントン・ポストに続くメディア関連投資であるBusiness Insiderやご近所SNSのNextDoor、アカウント集約サービスのDoxoなど、どんな未来を描きながら投資しているのでしょうか。かなり気になります。

Business Insider
概要:オンラインビジネスメディア
創業時期:2007年5月
投資時期:2013年4月
投資ラウンド:シリーズD後のVenture Round

Doxo
概要:様々なサービスのアカウントを集約できるサービス
創業時期:2008年
投資時期:2009年11月
投資ラウンド:シリーズA

GlassBaby
概要:ガラス製品を販売するECサイト。AWSの事業開発担当者がアマゾン入社前に立ち上げたらしい。
創業時期:不明
投資時期:不明
投資ラウンド:不明

NextDoor
概要:ご近所さんと交流できるプライベートSNS
創業時期:2010年
投資時期:2013年2月
投資ラウンド:シリーズB

Stack Exchange
概要:無料のQ&Aサイト
創業時期:2008年7月
投資時期:不明
投資ラウンド:不明

個人で開発中のサービス→α版参加募集中!ツール選びに悩んだらtoolbase

スタートアップが大企業に勝つための「戦わない」戦い方


大手メディアでもスタートアップ関連の情報を取り上げるところが増えており、以前より注目を集めているスタートアップ業界。サービスの内容や資金調達の状況、どの程度市場性がありそうか、伸びているのか、といった情報は大企業側にもアクセスしやすくなっていて、スタートアップが市場を切り開いた後に大企業が後発で参入なんてことを最近よく見かけるような気がします。

少し古い本ですが、「柔道ストラテジー」というハーバードビジネススクールの教授が書いた、過去にスタートアップや中小企業がいかに大企業と対峙し勝利を収めてきたかが書かれている本を読みました。柔道ストラテジーのメソッドを簡単に説明すると、大企業に敵だと思われない、大企業と正面で戦わない、戦いになったら相手の強みを「弱み」に変えるような戦い方をする、という感じ。

いくつか面白い事例があったので少し紹介してみます。

C2C戦争で勝利を収めたイーベイ

日本ではヤフオクがメジャーですが、海外ではオークションサイトいえばイーベイ。後発の大手企業の攻撃をかわし続けてきた結果、今の強大なポジションを築いています。

1998年にイーベイのIPO直後にヤフーが大量のトラフィックと出品料・取引手数料無料を引っさげ、オークションに参入してきました。イーベイも同様に価格で対抗するか検討されましたが、課金によって商品の質が保たれていると分析。価格面の全面対決を避ける決断を行いました。そのかわり、ヤフーが提供する簡易な商品登録方法やわかりやすいチュートリアルを取り込み、自社のサービスを改善したり、ヤフーのリソースが割けない草の根マーケティングキャンペーンを実施し、ヤフーという脅威を断ち切りました。

コカコーラが身動きができない隙に成長したペプシ

こちらはかなり昔の話。第一次世界大戦の終戦直後、アメリカ全土で独占的な支配状況を作っていたコカコーラに対し「まったく商売が成立しない」状況だったペプシ。ペプシが起死回生の手として選んだのは、値段はコカコーラと同じだが、中身が2倍のコーラを販売することでした。大恐慌時代の消費者はもちろんこれを大歓迎。一気に売上が倍増、マーケットシェアも急激に抑え始めるのですが、この状況をコカコーラは22年も放置することになってしまいます。なぜか。

当時、コーラはフランチャイズ権をもつ1,000を超えるパートナー企業たちによって瓶詰めされていました。ペプシ同様大きなボトルを採用することになると、既存設備の償却と新規設備の導入が必要となりパートナー企業の負担が一気に増加してしまいます。コカコーラが手をこまねいている間にペプシが大躍進を遂げる結果となりました。

紙メディアの弱点を突き成長したCNET

1990年代前半、テクノロジーメディアはジフ・デイビスやIDGなどの発行する紙媒体が中心でした。そこに風穴を開けたのは誕生したばかりのオンライン専業テクノロジーメディアのCNET。強敵が持つ資産やパートナーを負債に変え、たくみに動きを封じながら進化してきました。

CNETは速報性と情報量、さらにユーザー志向の媒体つくり上げることで順調にトラフィックを伸ばしていきます。一方で競合の紙メディアは優良な読者を抱え、高い広告料を維持してきましたがネットに進出することは既存のビジネスモデルを犠牲にする必要が生じます。既存の利益を維持したいという気持ちからネットへのフォーカスが遅くなり、CNETの躍進を結果的に放置。その間、さらなるクオリティの向上とデータベースなど技術が向上していき、追いつけないほど差が開いていきました。

最終的にジフデイビスは部門ごとに切り離され、ネットのメディアとして運営していたZDnetはCNETに買収されることになります。

と、こんな感じで事例がメソッドごとに整理して書かれていて、最後の方は大企業がスタートアップを資本力で倒す「相撲ストラテジー」なんてのがまとめられていてなかなか面白いです。まだの方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

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