Monthly Archives: 12月 2013

今年上場したIT系企業の「売上」「創業からの期間」を過去と比較してみた


クリスマスも終了し、いよいよ年末モード。Googleから2013年の振り返りムービーも出たことですし、今年のIT系企業のIPOについて振り返りしてみることにしました。2013年にIPOしたIT・ネット系として分類できる企業は以下の18社です。

ビューティーガレージ/共立情報通信/ソフトマックス/オイシックス/オルトプラス/ブロードリーフ/オークファン/フォトクリエイト/夢展望/サンワカンパニー/システム情報/メディアドゥ/じげん/アライドアーキテクツ/ホットリンク/ブイキューブ/エンカレッジ・テクノロジ/オウチーノ

この18社という数字は多いのか少ないのか、まずは過去3年間のIPO件数と比較してみます。

IPOバブルと言われているだけあって、やはり今年の上場件数が一番多かったです。次は創業から上場までの平均期間を見てみましょう。

今年はスピード上場が多いイメージがあったのですが、平均してしまうと期間が一番長くなってしまいました。というのも、創業から48年後にIPOを果たした共立情報通信や39年のソフトマックスなど、ベテラン企業のIPOが平均年数をかなり押し上げています。今年のスピード上場No.1はオルトプラスの3年10ヶ月。創業から4年弱でIPOってすごいスピード感だなぁ。

ちなみに2012年はenish、コロプラ、エイチーム、モブキャストなどソシャゲ系企業の上場が多かったので、創業から上場までの期間がかなり短くなってます。

最後は、上場直前期の売上平均を見てみましょう。

2011年だけ飛び抜けていますが、これは上場直前期697億円で上場したネクソンが大きく平均を押し上げています。今年上場した企業の中で一番売上が高かったのはブロードリーフの156億円。一番低いのはオークファンで6.2億円でした。

2014年はどんな企業がIPOするんでしょうか。調べるおさんがIPO予想をされていますのでご参考まで。
2014年IPOしそうな会社 「ド素人」予測

それではみなさん、良いお年を


Edtech「学習アプリ」プレイヤーたちのポジショニングとマネタイズ


リクルートの受験サプリやJUST Sysmtemのサービスなど、アプリ上で学習コンテンツを提供する「学習系アプリ」のCMを見る機会が増えてきました。そういえばちょうど去年の今頃は新規事業として同様のサービスの企画書を書いていたなぁと思い出したので、目についた各サービスのポジショニングをまとめてみました。

紙のコンテンツと比較すると、アプリはインタラクティブなコンテンツが作りやすいので、ゲーミフィケーションを活用して学習の継続性を高めようと工夫しようとしているのはみんな共通してます。特にドリコムがソーシャルゲームで培ったノウハウで教育市場を攻めていくようなので、どの程度ノウハウがヨコ展開出来るか楽しみ。一方、教育市場で実績のあるプレイヤーはアイテム課金ではなく定額課金の方を選択しているみたいです。

もし、仮に自分が同様のサービスを運営するとなったらやはりコンテンツの確保がかなり大変だなぁと思うのです。「学習サービス」という定義だと、学習効果があると「思わせる」コンテンツを提供しないと、サービスを使う本人なり親がそのサービスを選択してくれなそうだなぁ。DeNAがNHKエデュケーショナルと組んだみたいに、実績あるコンテンツホルダーと組んだほうがいい分野なんでしょうね。

そういえば、ドリコムやDeNAがedtechに乗り込んできてるのって何故なんだろ。当たると大きいゲームにリソースをつぎ込んだ方が儲かるような気がするのだけど、外すと損失も大きい。事業的なリスク回避のためだったりするのかな?この辺りは誰かに聞いてみたいなぁと思うのでありました。


Amazonが20件の企業買収で強化しようとした領域を整理してみた


最近、TenMarksを買収したことでEdtechに進出か、と話題になったAmazon。
ますます巨大化して生活の大部分に浸透し始めているAmazonが10年後、どんな姿になっているのかはまだ誰にも分からないけど、Amazonが買ってきた企業を見ると、今後どんな分野に力を入れていきそうか見えたりするのかも。そんなことをふと思ったのでまとめてみました。

公開されてる情報を見る限り、直近5年間で20社を買収しているAmazon。買収した企業をそれぞれ「Kindle」「TV/音楽」「決済」「EC強化」「教育」の5カテゴリに分類してみました。

最近頑張っているKindleの強化に役立ちそうな企業や、屋台骨のEC関連の企業はコンスタントに買収してます。Kindleとの相性がいいEdtech関連の企業買収は今後も増えていきそう。

また、決済関連も気になるところ。最近自前の決済サービスとして「Login and Pay with Amazon」を発表したけど、直近で買収したGOPAGOはリアル店舗で使うPOSのシステムを作っている会社。オンライン/オフラインどちらの決済にも本気で乗り込んでくるのかな?なんて妄想が膨らみます。

少し意外だったのは、Amazon Web Service(AWS)関連の企業は少なくともここ5年間は買ってないこと。AWSは将来的にはECを超えるAmazon最大の事業になるとジェフ・ベゾスが何度も言っている重要な事業領域ですが、自前のテクノロジーで頑張ってるみたいです。

以前のエントリでTwitterの買収リストを作りましたが、Twitterが創業1,2年の企業をバンバン買収しているのと比較すると、Amazonは創業してある程度年数が経っている企業を買収している傾向にある気がします。扱っている商材の影響だと思いますが、その辺りの違いも見れてよかったかも。

次はこれのFacebook版を作ってみようかと思います。


【2013年おさらい】ネット界隈に生息する僕が「なるほど」と思った10個の記事

そろそろ2013年もおしまい。今年1年を振り返るために、Tweetした記事やLikeしてきた記事を眺めて、勉強になったものを10個集めてみました。

ココナラの急成長を支えた、ライフネット流ストーリー・マーケティング

スキルを500円で個人間で販売できるcoconalaの立ちあげ時のユーザー獲得方法を具体的に解説。coconalaはmixiのコミュニティに所属している約1,000人にアプローチして400名のユーザー登録、200名の出品者を獲得しスムーズなサービス立ちあげに成功。また、ライフネット流のマーケティング手法を駆使して「共感」でファンになってくれる増やすことに成功する。

サービスの立ちあげ方法に悩んでいる人は多いような気がしていて、具体的にどんなアクションを取れば良いか、とても参考になりました。ちなみにこの記事で紹介されていたライフネットの本を勢いで購入。分かりやすくていい本でした。

スマホをかざすと記事が子ども向けに変わる!?画像認識ARアプリを利用した、東京新聞のユニークな試み

情報源として未だに重要な役割を果たす新聞。細かい文字がびっしり埋まっており難しい漢字や用語が並んでいるため、大人向けの媒体となっている。東京新聞が提供するARアプリを使うと、子どもでも平易に読める「こども新聞」として読むことができる。

ARって実はいまいちピンと来ていなかったんだけど、ARの特性をうまく活用して問題解決しているところが素晴らしいなぁと思いました。期間限定のキャンペーンみたいだけど、この取り組みはぜひとも続けて欲しいところ。

歌手・野口五郎氏が特許、スマホでライブ「持ち帰り」

ライブの映像を終了後に来場者がストリーミングで再生できるサービスを野口五郎氏が考案、正式サービス開始。来場者にQRコードを印刷したカードを配布し、イベント後にQRコードをスマホの専用アプリで読み取ると、当日のライブ映像を視聴できる仕組み。

の、野口五郎!?と思ったけれど、ファンもアーティストもイベント主催者もみんな得するスマートなサービスだなぁと。不正利用を防ぐ仕組みなんかもしっかり導入されているし、早くいろんなイベントで導入が進むといいな。

スマートフォンECとアプリコマース元年。 スマホEC市場と主要プレイヤーをざっくりまとめてみた。

コミュニケーション、ソーシャルゲームといったサービスがスマートフォンの普及により爆発的に成長してきたが、次はコマースの分野の成長が期待されている。アメリカはでモバイルファーストでコマースのサービスが成長しており、日本でも同様の展開が期待されている。大手の対応が遅れることが予想されるため、スタートアップにとっては非常にチャンスの大きい領域といえるかもしれない。

metaps佐藤さんの4月に投稿された記事。今のスマホコマース市場の盛り上がりはすごいですからね。さすがの彗眼です。記事の最後にある差別化ポイントがまさに各サービスの成長の差を生んでいるような気がします。

いよいよ戦いが激しくなってきたフリマアプリ市場

レッドオーシャン化し始めた5つフリマアプリの特徴とポジショニングを紹介。フリマアプリの運営は、ユーザー間取引の間に運営側が入ることによりキャッシュを一時的に保有できることがビジネスのキモ。参入障壁の低い領域で戦うためには「差別化」と「売り手」を探すことが重要である。

売り手としては、商品が売れてもお金を手にするには振込手数料がかかるため、こまめに現金化せず売上はしばらく運営者側の手元にある、ということが理解できたのはなるほどなぁと思いました。いつまでも売り手がお金を引き出さなかった場合、その売上は運営者のものになるのかな?

為替手数料ゼロ?!常識をくつがえした海外送金サービス「TransferWise」

「海外送金版スカイプ」と呼ばれる、ユーザーの手数料負担を大幅に引き下げた金融サービスを提供する「TransferWise」。通常、A国からB国へ送金するには銀行が間に入る必要があるため、高い手数料が発生する。同じタイミングでB国からA国へ送金する人をTransferWiseでマッチングすることで銀行を介さない取引を実現。英ファイナンシャル・タイムズ紙で「金融機関の事業モデルを変える」と評される。

仕組みはシンプルなんだけど、このモデルを思いつくってスゴイ。インターネットの力でイノベーションを起こせる分野がまだまだあると感じさせてくれた記事でした。

エッジとスケールのジレンマ

「ユーザー層を限定」「利用シーンを限定」「機能・体験の差別化」といったエッジの効かせ方は話題を生むことで初動を作りやすいが、ユーザー層をセグメントしてしまうことでスケールしない可能性がある。過去にヒットしたサービスは「汎用性」「文化を作る」「拡散したくなる要素」が盛り込まれており、サービス開発にはこういったポイントを抑えておくことが重要。

「エッジとスケールのジレンマ」ってたぶんサービスを開発したことがある人なら多くの人がぶち当たったことがあるテーマな気がしていて、この記事を読んだときは「そうそう!」と思った記憶が。サービスの差別化に目を向けがちですが、スケールしないと未来はないのでその辺りの両立って難しいなぁ。

なぜ大企業はスタートアップと組みたがるのか

毎週木曜日の朝7時から起業家と大企業の社員を集めて開催している「モーニングピッチ」。リーマン・ショック後の新規事業凍結から回復してきた大企業がスタートアップのリソースを活用したオープンイノベーションのニーズが高まっており、モーニングピッチでの出会いをきっかけに15件以上の投資や事業提携が生まれている。

この記事でトーマツベンチャーサポートの斎藤さんが起業家に問いかける「サプリメント」と「解毒剤」の話が示唆深くていいなぁと思いました。「サプリメント」は、あったらいいもの。「解毒剤」は必要な人には本当に欠かせないもの。「解毒剤」のような事業やサービスこそ人に受け入れられていくんでしょうね。

孫さんに足を向けて眠れないネット界隈の話。

米国からネットビジネスを持ち込み、資本市場を整備し、ネットベンチャーが育つ基盤を築いた孫さん。その後数々の試練が襲いかかるが、逆境を見方につけていつも新しい市場を切り開き続けてきた。そんな孫さんがいなけばYahoo!Japanも楽天もサイバーエージェントも存在していなかったのではないか。

次々にやってくる困難と戦っては勝ち、戦うたびに強くなる孫さん。ビジネス界の孫悟空ですね。実は孫さんの本を今まで一度も読んだことがなかったのですが、国内インターネットの歴史を知るためにも年末に読んでみようかと思います。

【コラム】「3年先に流行るサービスのアイデア」を考えるにはどうしたらいいか

3年後に通用するサービスを考えるためには、「3年後の世の中はどうなっているか?」「3年後も変わらない価値は何か?」の2つのアプローチがある。「3年後の世の中」を予想するためには「今、成功している人たちが、過去にどのように考えていたか」を考えるのがオススメ。「3年後も変わらない価値」を考えるためには人間の本質的な欲求に目を向けることが重要。

未来を予測するためには過去を知ることと人間の本質を理解する必要がある、というのはまさにおっしゃる通りなんだけど、それを誰にでも分かりやすく納得感をもって伝えられるってすごいなぁと思いました。アラン・ケイの「未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことだ」ってすごくエネルギッシュな言葉ですね。眩しい。

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マーケティング、新サービス、歴史、サービスの考え方など雑多なセレクションでしたが、いかがでしたでしょうか。引き続き次回は2013年に気になったサービスについてでもまとめてみようかな。



photo credit: betta design via photopin cc

「インターネット界隈の事を調べるお」の大柴さんにブログ運営について聞いてみたお



とツイートしたところ、


とご返信いただきました。返信の主は「インターネット界隈の事を調べるお」で有名な大柴さん。渋谷の居酒屋で世間話も交えながらブログ運営について3時間くらい聞いてきました。

ブログを始めて変わったこと

–「調べるお」すごい人気ですね。昔と比べて何か変化はありましたか?

『いやいや(笑)ただ、いろんな人から声をかけられるようになりましたね。PVとかはあまり見ていないし、アフィリエイトで儲けようとか全く考えていないんですけど、業界の有名な人がブログの存在を知ってくれるようになったのは大きな変化。中でもEast Ventures大河さんからフォローされたときが一番うれしかったですね。WEB業界に10年いるけど本当にスゴイ人なので。』

–そういえば、「調べるお」はいつからスタートしたんでしたっけ?

『去年の1月くらいから始めたので、そろそろ丸2年ですね。もともとは昔からタカノリブログを運営していたり、他にも100個以上サイトを集中的に作る時期があって、その最後に作ったのが「調べるお」。当時、会社でストレージ系のサービスを作ろうとしていたので、一番最初に書いた記事は競合サービス一覧をリンク付きで列挙するだけの単純な記事なんです。そのあとも更新しないとSEO的には育たないので続けていたら、5記事目くらいがバズったんですよ。VCとかスタートアップ周辺の相関図の記事。家入さんがツイートしてくれて。』

『さらにその後に書いた「コンプガチャ」の記事がものすごくバズりました。コンプガチャ騒動で関係する上場ソシャゲ企業の時価総額の吹っ飛び具合を書いたんですけど、その記事がバズってしまって。バズったのを見て「すげぇな」って思ったんですけど、嬉しくなかったんですよね。関係者にとってはネガティブな記事だし、それでバズっても全然嬉しくないものなんだなぁと気づきました。それ以来、ポジティブな事だけ書こうと思うようになりました。』

ブログ運営で大事にしていること

–確かに、「調べるお」ってネガティブネタ取り上げないですよね。

『経営にずっと携わっていたので経営者の気持ちが分かるというか、ここは書かれたくないな、みたいなところはよく分かるんです。経営者ってホントに人から褒められないんですよ。従業員の方がよっぽど褒められる。そのことが分かるから、なるべくいいところを見つけて褒めてあげたいと思って記事を書いています。あえて指摘したり苦言を言うことも愛だ、という見方もできるかもしれないけど、経営者はそんなこと僕が言わなくても分かっていると思う。そしたらいつか業績が回復するので、その時に盛大に取り上げます。』

–他にも運営のポリシーみたいなものってありますか?

『長い文章はあまり書かないようにしてますね。僕自身が字が多いと読まないですし、そもそも今年は本3冊しか読んでない。1冊目はCA藤田さんの「起業家」で2冊目はクラウドワークス吉田さんの本、3冊目はペパボの本。記事が読みやすいって言われるけど、平易だし難しいカタカナとか使わないから読みやすいのかもしれないですね。あと、「調べるお」に関しては考察はあまり書かないようにしてます。荒れるの嫌なので(笑)他には、人から聞いたことを元に記事は書かないことに決めてます。あくまで公開情報を調べて書くと。今のところ炎上したことはないと思っているので、このペースをキープしていきたいですね。』

–なるほど。「調べるお」って毎回切り口が面白いなぁと思うのですが、ネタはどうやって探しているんですか?

『特別、ネタ探しみたいなことはしないですね。速報性があるものをすぐ記事にすればPVが稼げることはわかっているんだけど、興味がないものは取り上げないです。PV欲しさでネタ探しに行って書いてもロクなことにはならないというか、興味がないことを無理やり頑張って記事にしても大概は報われないので。逆に、ふと思ったものとか急に気になったネタを書く方がやる気もできるし面白いです。例えばタイ語のTシャツ着てきたからタイの携帯電話事業者ことを調べてみるとか。このネタの脈絡のなさが「斜め上」と言われる理由かもしれないですね。』

–ブログのターゲットとか読者層とか意識してますか?

『そこはあまり意識してはないですね。ただ、記事で取り上げた会社や人がターゲットかも。その人達が「調べるおに取り上げられた!」とか「よく調べてるなー」とか喜んでくれるととても嬉しいです。さらに、取り上げた会社の人が「会いましょう」とか言ってくれると書いてホントによかったなと思います。記事を書いて議論を生むのは本意ではなくて、記事をその当事者の人たちが懐かしく思ったり、「なるほどー」って思ったりしてほしいですね。』

インターネットの「資料集」を作りたい

–今後、どういうことを「調べるお」していきたいですか?

『「資料集」ってあるじゃないですか。世界史の授業のときに使う、教科書とは別冊で戦争のルートとか写真とか図がたくさん書いてある本。インターネットにおける「資料集」を作りたいなと思っています。インターネット業界の歴史とか繋がりを図解してあげて、その資料集を見ればぱっと理解できて面白いもの。もともと歴史であったり、サービスや会社の背景に興味があるし、全てのものには理由があるのでその理由を知りたいんです。また、その時代の当事者の人たちが「昔、俺達こうだったなぁ」って懐かしんでくれたり、昔話に花を咲かせてくれたりする、そういうものを作りたいですね。』