Monthly Archives: 11月 2013

参入が相次ぐスマホ決済のビジネスモデルをおさらいしてみる





SquareCoiney楽天Paypal Hereなどたくさんのプレイヤーが参入していて今確実に熱いと言えるスマホ決済の分野。

リクルートが参入してくるかも?なんてこの前の記事で書いたけれども「なぜみんなこぞって参入してきてるの?」と聞かれたら簡潔に答えられなそうなことに気が付きました。自分の頭を整理するためにも、まずは前提となるクレジットカードのビジネスモデルから図に表してみました。

クレジットカードのビジネスモデルにはブランド、イシュア、アクワイアラという3つのプレイヤーが登場します。それぞれブランドはクレジットカードを使う上でのプラットフォームの構築を行い、イシュアはカード発行を担当し、アクワイアラが加盟店の開拓・管理を行います。

図の例で説明すると、買い物客が10,000円の服をクレジットカードで買うとお店は250円の決済手数料をアクワイアラに支払います。するとアクワイアラはイシュアに160円とブランドに10円の手数料を支払い、さらにイシュアはブランドに10円の手数料を支払います。(手数料はイメージ)

つまりアクワイアラは10,000円の1取引あたり80円の手数料収入を得ることになり、より多くの店舗を開拓しているアクワイアラが多くの儲けを生み出すことができるわけです。

小規模店舗向けは白地のマーケット

一方で、クレジットカードが導入できていない個人事業主や中小企業は190万あると言われています。(中小企業庁調べ)

その理由はいくつかあって、クレジットカードの審査が煩雑だったり、クレジットカードの読み取りに必要な端末(こんなの)の設置・維持費用が高いこと、クレジットカードを使うと現金取引よりも支払いサイトが長いことなど、お客さんにとってみるとクレジットカードが使える店の方が便利なのはわかっているけど、ハードルの高さから導入を見送っている状況だったようです。

そういうことを考えると、各社が取組むスマートフォン+カードリーダーの決済ってまさにスマート。スマートフォン自体に通信機能があるので従来の端末が必要なくなるし、サインも画面で書けるのでペーパーレス。入金のサイトを短くすることで店舗側の負担は最小限におさえることで、今まで存在しなかった個人事業主向けのアクワイアラになろうとしているわけです。

仮に190万の個人事業主・中小企業がそれぞれ1,000万円の決済を行ったとすると、毎年数千億円規模の売上がアクワイアラに入ることになります。このマーケットの巨大さが相次ぐ参入を生んでいるんでしょうね。

いかに多くの店舗を囲い込めるか

当然ながら多くの店舗を獲得したプレイヤーが多くの売上を得ることができます。各社手数料や支払いサイトなどで勝負していますが、自社のサービスを採用してくれる店舗の獲得にはやはり営業力が必要なようです。

日本に地盤のないSquareは三井住友、少人数のスタートアップであるCoineyはセゾンといった既存のアクワイアラと組み、その営業力を活かしながらこのマーケットでどのような陣取り合戦を行っていくんでしょうか。もしかしたら今後後発でやってくるかもしれない巨人が一気に市場を席巻するかもしれないですし、この分野は市場が大きい分目が離せません。

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リクルートも決済に本格参入するかもなーとAirレジのリリースを見て妄想を掻き立てられた話

昨日のお昼ごはんはとんかつを食べたのですが、注文は店員さんがiPhoneで取るしレジはiPadだし六本木はなんだか最先端だなーと思いました。企業では浸透しているITも飲食店を始めとするリテールの店舗ではまだまだだったりするのですよね。そんな中、リクルートが「Airレジ(エアレジ)」という無料のレジアプリをリリースしていました。

ユビレジの分野にリクルートが来たかーとおもったのですが、ユビレジと異なり、リクルートのエアレジは初期費用も月額費用も無料らしい。リクルートの狙いとビジネスモデルはなんなのでしょうか。

フリマアプリに続き決済も群雄割拠の戦国時代へ

事業モデルが分からないときは、そのサービスの利用規約を見るとヒントが隠れていることがよくあります。今回の場合、第3条にそのヒントが書かれていました。

第3条(本サービスの機能)
本ソフトウェアを使用して利用できる本サービスの機能は、次の各号のとおりとします。
(中略)
(4)当社が個人ユーザー向けに別途提供するアプリケーションソフトウェア「Airウォレット」(以下「Airウォレット」といいます。)の利用端末画面上に表示される店舗に関する情報(以下「事業者情報」といいます。)の登録

(5)当社が管理・運営する会員プログラムIDであるリクルートIDを保有し、かつ、Airウォレットを利用している顧客(以下「Airウォレットユーザー」といいます。)に対するリクルートポイント(当社が管理・運営するポイントプログラムにおいて利用可能なポイントをいいます。以下同じ。)の付与およびAirウォレットユーザーが保有するリクルートポイントの利用による代金精算を可能とする、当社独自のポイントプログラム(リクルートポイントの付与条件および利用条件等は、別途当社が定めるとおりとします。)の利用

つまり、AirレジはAirウォレットなるサービスと連携することができて、AirウォレットはAirレジ店舗で財布の代わりとなることができるってことみたいです。Airウォレット自体はまだリリースされていないようなので詳細は分かりませんが、この流れはたぶん決済もやるんだろうなぁ。
Breadcrumbというサービスで決済の分野に参入したGrouponとリクルートが持っているアセットが似ているような気がします。

CoineySquareのようなカードリーダー型の決済か、Airウォレットを活用した決済なのかは分かりませんが、リクルートはクレジットカードも持ってるし、ポイントプログラムも持ってるし、強靭な営業リソースも持っているしなんだか強そう。ただのレジ機能だけじゃなくCRM機能もついてるから、導入側としては他サービスよりも魅力を感じてしまうかも。

フリマだけじゃなく決済の分野も戦国時代ですね。




2013年フリマアプリ冬の陣に挑む12のサービスと概要と手数料など一挙まとめ

「mixiマイ取引」でmixiの本格参入が発表されたフリマアプリ界隈。いつの間にか、というか急速にレッドオーシャンになりましたね。

短期間に続々と参入が続いてちょっと混乱しているので、フリマアプリをリリース順に整理してみました。(サービスインではなくアプリをリリースした日順)

Frilから始まりmixiマイ取引まで、1年4ヶ月の間に12ものアプリがリリースされてます。しかもサイバーエージェント、ヤフー、mixiなど大手ネット系サービスも相次いで参入しているこの状況から、この市場の活発さが伺えます。

しかもまだまだ参入してくるという噂もあり、いよいよユーザーはどれを使えばよいか分からなくなってしまいますよね。なので、何かの参考まで各社のサービス概要と手数料をまとめてみました。

フリマアプリは増加する一方だけどオークションアプリはほとんど出てきていない状況を見ると、前に書いた通りスマホ時代にはフリマのほうが相性がいいみたい。

スマホ時代の個人間取引は「オークション」より「フリマ」の方が良いのかな?

しかしまぁこんなに多くのプレイヤーたちが仲良く利益を分け合えるほどC2Cのマーケットは顕在化していなそうな気がするわけです、今のところは。いち早く質の良い出品者を囲い込めたところが一歩抜けだすんだろうなぁと思いました。




久々に「すげー」と声に出してしまった360度パノラマ写真共有アプリ「bubbli」

ぜひ流行っていただきたい写真共有アプリ、その名も「bubbli」

縦、横、斜め360度のパノラマ写真を撮影・共有することができます。WEBじゃあまりその迫力が伝わらないのでぜひアプリ(iPhone,iPadのみ)を落として見て欲しいのですが、例えばこんな感じで写真が撮れたり見れたりします。

ここまで来ると、写真を「見る」というより「体験する」に近い。

加速度センサーで写真のアングルが変わるのですが、どこでもドアの小窓から世界を覗いているかのような、なんだかその場所に自分が立っている気持ちになってしまいます。撮影もそれほど難しくなくて、アプリの指示に従ってスマホを持ちながら自分の周りをぐるっと撮影するだけ。久々に使っていてワクワクするプロダクトだなーと思いました。

しかも普通の写真共有アプリよりもマネタイズしやすいかも。例えば、写真に写っている屋外広告とかを解析してタップするとそのサイトに飛ばしたり、商品が買えるECサイトに誘導したり、とかそんな風に使える可能性があるかなーと。まだ出始めたばかりなので、どんな感じに進化するでしょうね。とても楽しみです。




2011年夏学期から2年。書籍「Yコンビネーター」に登場する64社のスタートアップのその後を追いかけてみた

書籍「Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール」を読んでます。

大体2/3くらい読み終わりましたが450ページと想像以上にボリューミーで読み終わりまであと1日くらいかかりそうな感じ。どんな本かというと、シリコンバレーで有名なベンチャーキャピタルであるYコンビネーター(以下YC)の2011年夏学期に参加したスタートアップが過ごす3ヶ月間の葛藤を描いているのですが、悲喜こもごもありなかなかおもしろいわけです。

読み進めているうちに内容もさることながら彼らが現在どのような状況なのか気になってしまったので、少し調べてみました。2年という年月はあっという間に感じてしまうものですが、スタートアップにとってみると環境に大きく差がつく期間なんですねーやはり。

YC卒業後$1M以上調達したスタートアップ=23社

調達額が全てでは全然ないと思うけど、客観的にプロダクトなりサービスが評価されている証拠だとも言える資金調達。シリコンバレーでは大きな金額ではないけれど、1ドル100円計算で1億円なので、やはり結構な金額です。調達金額が高い順に5社抜き出してみました。

Rap Genius(ラップ歌詞の注釈データベース) $15M
Codecacademy(プログラミング学習用オンラインコース) $12.5M
Meteor(クラウドのデータを管理するための開発者向けツール。) $11.2M
TightDB(デベロッパー向け簡易データベース) $8.97M
Vidyard(企業向けユーチューブ) $6M

YC卒業後買収されたスタートアップ=9社

買収金額が明らかになっているところは少ないですが、Apple,Salesforce,Twitterなど有名どころの企業がYC出身スタートアップを買収しています。金額が公開されているParse(モバイルアプリ開発者のデータをクラウドに保管するサービス)は今年4月Facebookに$90Mで買収されました。このスピード感と規模感がさすがアメリカ!それ以外の8社を列挙します。

Embark(公共交通利用者向けモバイルアプリ)⇒Appleが買収
Clutch.io(アプリ向けA/Bテストツール)⇒Twitterが買収
GlassMap(位置情報を共有するアプリ)⇒Grouponが買収
Stypi(オンラインの共同文書編集管理システム)⇒Salesforceが買収
Snapjoy(写真の整理・共有サービス)⇒Dropboxが買収
TapEngage(タブレット向け広告制作)⇒Dropboxが買収
PageLever(企業のFBページのファンを分析するサービス)⇒Unfiedが買収
Munch on Me(レストラン向け日替わりクーポン)⇒CollegeBudgetが買収

YC卒業後ピボットしたスタートアップ=9社

ピボット(=サービスの方向転換)を行った会社は9社あり、中でもチャットアプリから開発者向けサービスへピボットしたFirebaseは2013年6月に$5.3Mの調達を行うなど、順調そうに見えます。

ただ、本の中で期待されていたCampusCredが大学講義向けアプリにピボットしてしまい、その後鳴かず飛ばずな感じなのが少し残念。YC参加中にピボットするケースは非常に多いようですが、卒業後にピボットして成功しているケースはもしかすると少ないかも。

YC S11参加スタートアップと現在の状況一覧はこちら


※参加スタートアップとサービス内容は本から引用し一部加筆修正しています。

眺めてみると圧倒的にB2Bが圧倒的多数。B2Cもあるのだけれど、2年後の生存率を見るとやはり結構厳しいかも。ただ、Rap Geniusのように当たると大きいので挑戦してみるのもいいかもしれないですね。

YCはこれらのスタートアップに対し株式7%と引き換えに1.1万ドル〜2万ドルを初期に投資しています。仮に全てに2万ドルを投資したとしても合計で128万ドル。おそらくParse1社の売却でペイできているだろうから、やっぱりすごい仕組みだなーと思いました。