Monthly Archives: 9月 2013

Amazonに対抗するための戦略はだいたいこの4つかなと思った。

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ところがどっこい、町の本屋さんは、死なない
この記事を読みました。

Amazonは数年以内にリアル店舗を駆逐することを目標としている的な記事をどこかで見かけたような気がするのですが、本屋に限らずリアル店舗でAmazonの影響を受けていないところのほうがもはや少ないのではないでしょうか。

ECの方に目を向けてもAmazonが強さが目立つわけですが、各社色々と差別化戦略を用いてAmazonに対抗しています。

海外のECサイトの事例を毎日(!)紹介するネットコンシェルジェを定期的に購読させてもらっているのですが、そこで紹介されている海外のECサイトの事例の中から差別化戦略が4つくらい浮かび上がってきたので、ちょっとまとめました。

ここでしか買えない商品を集める

他では購入できず、ここでしか買えない商品を集めて販売すれば、当然ながら人はそこのお店で商品を購入します。自分で作った商品を販売したり、販売チャネルを独占したり、購入に手間がかかる商品を販売したりと方法はいくつかあるのですが、4つの戦略の中でこれが一番強い対抗策のはず。例えばこんな感じ。

デパ地下気分のグルメマーケットプレイス「Goldbely」

複数の商品をまとめて売ることで付加価値をつける

単一の商品は他でも買えるんだけど、運営側がそれをまとめて販売することで付加価値がつくような、例えばこういったサービス。

プロのシェフが考案したオリジナルレシピを食材とともに届けるECサイト「Plated」

シェフがレシピ付きで食材をまとめて売ることで、ユーザーは献立を考える手間や食材を揃える手間を削減することができる。これ使ってみたいと思いました。

商品に合わせてサービスを最適化し購入しやすくする

その商品にあった購入の仕方を提供することによって、通常よりも大きな効果を得られる商品カテゴリも存在するはず。例えば、服や香水みたいに。

無料でパーソナルスタイリングサービスを受けられるファッションECサイト「Keaton Row」
高品質・低価格は当たり前。その先を行く香水販売ECサイト「Commodity」

事前にサンプルを送って香りを確かめてもらってから香水を買ってもらったり、スタイリストがついて服を購入できたり、リアル店舗での購入体験をネットに持ち込むことで、Amazonとかではなくそこで買う強い動機になる気がする。

良質なコミュニティを形成する

上質なコンテンツでユーザーの心をつかんだコスメ販売ECサイト「Beautylish」

特定ジャンルの商品に興味のある人たちが集まるようにコンテンツやサービスを拡充して、形成されたコミュニティがさらに人を呼ぶ構図。混んでいる飲食店がなんだか美味しそうに思ってしまう心理と同様に、活発で健全なコミュニティがあるサービスは商品購入の強い後押しになりそうな気がします。




「ベンチャー」の出現頻度が下がってませんか、Google先生。

僕の周りだけかもしれませんが、最近、ベンチャー企業に行きたい!よりもスタートアップに行きたい!という大学生が増えてきているような気がします。同様にベンチャーを立ち上げるんだ!という人よりもスタートアップを立ち上げるんだ!という人の方が多くなっている気も。

メディアの掲載も中堅ベンチャーよりもスタートアップの方が取り上げられやすいように感じており、世間の注目がスタートアップに集まってきているということは間違いない気がします。

いろんな媒体で「スタートアップ」という言葉を目にする機会が増えてきましたが、そういえば「ベンチャー」って言葉を聞く機会が前より減っているような気がしたので、Googleトレンドで調べてみました。

ライブドア事件まっさかりの2005年をピークにだんだんと検索ボリュームが減っています。2013年は多少回復していそうに見えますが、やはりダウントレンドな言葉なのでしょうか。

一方で「スタートアップ」を調べてみたのですが、3年前以降の検索ワードはどうやらスタートアップ企業ではなく、OSのスタートアップについてがメインらしく、残念ながら参考にならず。

ちなみにGoogleトレンドで遊んでいたら楽しくなったので、「半沢直樹」と「あまちゃん」の比較も貼っておきます。半沢直樹の方は放送がある日曜日に検索が集中しており、あまちゃんの方は比較的コンスタントなボリュームを稼いでいます。どちらも話題のドラマだけあって、回を重ねるごとにボリュームが増えていますが、半沢直樹の最終階付近が爆発してますね。すごいなこれ。




レストランのオンライン予約サービスがいつの間にか進化していた。7年後に向けて一気に普及しそう。

少しばかりアメリカに旅行に行ってきました。

せっかく旅行に来たのだから、評価の高い美味しいお店でご飯が食べたいわけですが、人気のお店は混んでいて予約が無いと入れないことも多いわけです。で、いざ予約しようとするにも英語が得意なわけではないので、海外に来た時は入れないリスク承知で予約なしでお店に行くことが多く、満員で店員さんに首を横に振られる苦い経験を何度もしています。

今回の旅行先はレストラン予約サービスのOpentableが普及していたエリアだったので、ガイドブックに載っている店も、TripAdviserで評価の高い店も、すべてネット経由で予約することができました。

Opentableが便利なところは、お店のページに入って人数と時間を選択すれば、その場で空きの照会と予約ができるところ。実際使ってみると電話でのコミュニケーションが全く必要ないので、すごく便利なサービスだなーと思いました。日本でレストランとか居酒屋を予約するときはいつも電話を使っているのですが、お店が営業している時間に電話をしないと通じないし、忙しい時間帯だと通話中だったりでなかなかスムーズにいかない事が多いので、なんとかして欲しいと思っていました。

Opentableは日本にも進出していますが苦戦している模様。この分野は確実にチャンスなので、どこか本気で取り組むスタートアップとかないかなぁなんて調べていたのですが、いつの間にか食べログを運営するカカクコムがcena(チェーナ)というサービスをリリースしていたことに気づきました。(サービス開始は2013年の1月。全然知らなかった。)

cena(チェーナ)はOpentableと同様、お店を選び、人数と時間を選択するとその場でレストランが予約できるサービス。サービスの入り口は食べログなので、評価が高いお店を探してそのままオンラインで予約するというキレイなフローが成立します。

プレスリリースを見る限り、このサービスを使うお店側の基本利用料負担は無料で、サービス経由の来店数に応じた成果報酬型のモデルのようです。店側としては、単一の予約システムを構築するだけでは集客はまた別途考えることになってしまいますが、cenaを使えば店の発見から予約までワンストップなので、導入効果は高そうな気がしました。

掲載店舗はまだそれほど多くはないようですが、7年後のオリンピックに向けて一気に普及して欲しいなと個人的には思っています。評判のいい店を事前にネットで予約してから日本に来たい海外の方も多いはずですからね。

オリンピックを大義名分にオンライン予約サービス導入を決断してくれるお店が増えて、もっと手軽にお店の予約ができる時代が早く来ればいいなと思ったのでありました。




mixiはカットモデルになれるアプリ「minimo」でホットペッパーが握る巨大マーケットを狙うのではないか、という話

mixiがデビュー前の美容師に基本無料でカットしてもらえる、美容師とカットモデルをつなぐアプリ「minimo」を今秋にリリースするようです。

表参道を歩いていると、5メートルに一人はカットモデルをハントする若手美容師の方がいるのではないかと思うくらい、みなさん必死にモデルを探している姿が印象的ですが、初見でこのティザーサイトを見た時は「mixiさん、すごくニッチなところ攻めてくるなぁ」なんて思ってしまったのが正直なところです。

しかし、よくよく考えてみると、minimoはホットペッパーに代表されるクーポン系マッチングサービスが握るマーケットにリーチできるサービスになれるかも、と思い当たったのでその辺りを簡単に書いてみます。

minimoを利用する店と利用者のメリット

まだリリース前のサービスなので詳細不明ですが、ティザーサイトを見る限り、サロンがアプリ内でカットモデルを募集し、カットモデルになりたいユーザーがそれに応募する形のサービスに見えます。

このアプリを使うユーザー側のメリットとしては、無料もしくは限りなく安い金額でヘアスタイルを整えてくれるサロンを簡単に探すことができることだと思われます。今まではお店のWEBサイトをチェックしたり、張り紙を見たり、原宿を闊歩してみたりと、カットモデルになりたくても手間がかかっていたのを省略できるので、ユーザーとしては非常に利便性の高いサービスとなりそうです。

一方、サロン側のメリットとしては、工数のかかるカットモデルハントの手間を削減できることだけではなく、リピーターの創出もあるのではないでしょうか。

美容マッチングの新たなプラットフォームになれるか

カットモデルハンティングは単に新米美容師を鍛錬させるためだけでなく、次回以降正規料金で髪を切ってくれる、リピーターを作ることができるはず。ゼロ円ユーザーをリピーターにするこの感じは、クーポンをフックにサロンとユーザーをマッチングするホットペッパー系サービスとなんか似てます。

美容業界のフリーミアムモデル。そのプラットフォームをmixiがもし狙っているとするならば、ホットペッパー系サービスの牙城を崩すポテンシャルがもしかしたらあるかもしれません。

といろいろと妄想してみましたが、実はCuttaloca(カッタロカ)と同様、マッチングにつき500円の手数料、といったモデルのビジネスかもしれません。しかし、mixiが展開するのであれば相応のスケールが求められるはずなので、この辺りは今後の展開を見守っていきたいところです。




楽天が買収したVikiをじっくり見てみた

複数の媒体が報じたように、楽天がシンガポール発の動画サービスVikiを買収した模様です。

こういうニュースに対して1次情報だけを見て分かった気になってしまう癖があるので、実際にどんなサービスなのか、買収によりどんなシナジーを生み出せるのか、サービスを触りながら考えてみることにしました。

Vikiの概要

●サービス概要
各国ローカルの映像コンテンツを任意の言語の字幕を表示して視聴できるサービス。月間視聴者数は2,200万人。字幕の翻訳はオンライン上のボランティアスタッフが賄う。
●会社概要(from CrunchBase)
2010年創業、従業員28人。シンガポール、ソウル、サンフランシスコにオフィスを構える。
サービス名のvikiとは、videoとwikiを組み合わせた造語らしい。
●その他
VikiのFacebookページのファン数は510万。楽天繋がりのPinterestのファン数は279万なので、もしかしたらすごいのかもしれない。

VikiのTOPページを攻める

TOPページのヘッダは「TV」「MOVIES」「MUSIC」「NEWS」と大きく4つにカテゴライズされている。このあたりから、Vikiのポジショニングがだいたいわかる。同じくTOPページからは自分が途中まで見た動画の続きが見れたり、Facebookで友達の人が最近見た動画なんかがわかる。(日本人的にはこれは少し嫌かも)

Vikiの動画再生ページを攻める

再生ページの一番の特徴はやはり字幕。すでに翻訳されている言語であれば瞬時に字幕を切り替えることができる。Youtubeと同様の通常のコメント機能の他に、ニコニコ動画のように特定の再生時間へのコメント投稿もできる。世界の人たちがどこで盛り上がっているかが分かるので面白い。また、この動画はどこの国のコンテンツなのか、というタグがつく。これも興味深い機能。

複数プラットフォーム向けのアプリが出てる

こんなにも大量のプラットフォームに対応するのはコストがかなり掛かりそうですが、動画サービスにとってマルチデバイス対応は超大事なので、このあたりは気合と心意気を感じます。

Vikiの翻訳ボランティアが熱い

前述の通り、多くの字幕翻訳ボランティアに支えられているViki。コミュニティページには、字幕作成数ランキングがあり、各言語ごとに絞り込むこともできる。ちなみに今週ランキング1位のMariana123さんの字幕作成数はなんと42,333件。凄まじい・・!

ボランティアをいかにコントロールするか

TechCrunchによると、今回の買収は楽天がビデオコンテンツを強化したかったから、という理由と翻訳してくれるクラウドソーシングの仕組みをECに応用したかったからという動機があるようです。

ビデオコンテンツの強化にはダイレクトに結びつきそうな気がしますが、映像を見ながら字幕を翻訳してくれるボランティアの人たちが、ECを始めとする他サービスの翻訳をやってくれるかどうかは、彼らが何に動機づけられているかによるなぁなんて思いました。

とりあえず、ひと通り調べてみてVikiは使いやすいしとても考えられてるサービスだということは理解できたので、これからちょくちょく使ってみようかと思います。