Monthly Archives: 6月 2013

国内ネット系ベンチャー20社の経営理念を3グループに分類してみた

photo credit: Werner Kunz via photopin cc

数年前に「ビジョナリー・カンパニー」を読んで以来、気になる企業があるとコーポレートサイトに飛んで、どんなビジョンを掲げている会社なのかをチェックするクセがつきました。経営理念とは、意思決定の拠り所となるものであり、その会社が存在する理由であり、会社がどこに向かっていくかを示す道標でもあります。

ネットに落ちてたこの論文を眺めていたら、経営理念は3タイプに分類できるらしいということがわかったので、上場していたり、最近大型の資金調達をしていたり、なにかと話題になっているネット系企業20社の経営理念を分類してみました。

ちなみに、経営理念という言葉ではなく、ミッションやビジョンとしてコーポレートサイトに記載されているものも含めています。経営理念の中には分類が難しいものもありましたが、3つのグループの中で最も当てはまるであろうものに分類しました。

グループ1:組織の価値観にフォーカスしている経営理念

意思決定の判断基準や、組織の活動指針を掲げている経営理念をグルーピングしました。

paperboy&co.
「もっとおもしろくできる」

カカクコム
「ユーザー本位の価値あるサービスを創出しつづける」

夢展望
「社員とその家族、お取引様、株主様、お客様の幸せのための経営」

アウンコンサルティング
「真ん中に「お客様第一主義」」

バーグハンバーグバーグ
「がんばるぞ」

セプテーニ
「ひねらんかい」

グループ2:自社の目的・存在意義にフォーカスしている経営理念

自社は何のために存在するのかを定義している経営理念をグルーピングしました。

スタートトゥデイ
「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」

サイバーエージェント
「21世紀を代表する企業を創る」

ガンホー・オンラインエンターテイメント
「Smile for Everyone.”感動と楽しい経験”を提供する」

LIG
「わくわくをつくる。」

チームラボ
「日本再生」

カヤック
「つくる人を増やす」

nanapi
「できることをふやす」

コーチ・ユナイテッド
「夢中になる人を増やす。」

グループ3:事業の範囲・方向性にフォーカスしている経営理念

事業ドメインや市場を定め、目標を明確化している経営理念をグルーピングしました。

クックパッド
「毎日の料理を楽しみにすることで、心からの笑顔を増やす」

楽天
「インターネット・サービスを通じて、人々と社会を“エンパワーメント”する」

GMOインターネット
「すべての人にインターネット」

GREE
「インターネットを通じて、世界をより良くする」

metaps
「テクノロジーで「お金」のあり方を変える」

クラウドワークス
「21世紀の新しいワークスタイルを提供する ~個の力を最大限活性化し、社会の発展と個人の幸せに貢献をする〜」

経営理念と業績の相関性はあるか?

経営理念は企業文化に確実に影響を与えていると思うのですが、業績にどの程度影響を与えるのかは気になるところ。ただ、そこまでは調査するのはかなりのパワーを使いそうなのでまた今後の機会に頑張ってみたいと思います。

【お知らせ】
ブログのFacebookページを作りました。
「いいね」するとブログ更新時をお知らせします。




写真を超えるコミュニケーションの主流になれるか?–動画共有アプリ5選

instagramに動画共有機能が追加されました。
Instagram、13種類のフィルタを搭載した15秒間ビデオの共有サービスをアナウンス(TechCrunch)

写真と比べ、動画は投稿のハードルが高く、通信時間も長くなるため、モバイルを中心としたSNSではコミュニケーションの主流になれるか不明確な部分は多いですが、twitter、facebookというSNSの巨人が続々リリースしているので、やはり動画は注目分野かもしれません。

ということで、動画の撮影・編集・共有までできる「動画共有アプリ」を5つまとめてみました。

instagram(インスタグラム)

月間アクティブユーザー数1.3億人、累計写真投稿は160億枚を超える巨大写真共有アプリ。動画機能が追加されたことにより、15秒間の動画撮影・共有ができるようになった。instagramの特徴でもある写真の質感を変えるフィルタは写真と同様、動画にも適用することができる。

vine(ヴァイン)

Twitterが買収した6秒間の動画が共有できるアプリ。撮影ボタンを押しているときだけ動画を記録し、指を離すと撮影が一時中断する。そのため、後で編集することなく撮影しながら複数カットの動画を作成できる。また、動画はループ再生されるのも特徴。Twitter社が運営しているだけあって、投稿された動画はtwitterのタイムラインからそのまま閲覧できる。

viddy(ヴィッディ)

動画版instagramということで2012年に注目されたサービス。動画加工ができるフィルタが豊富に用意されており、撮影可能時間は30秒。また、動画にBGMをつけることも可能。また、投稿した写真はFacebook、TwitterだけでなくYoutubeにもアップロードできる。

socialcam(ソーシャルカム)

同じく、動画版instagramということで注目されたサービス。同じく動画のフィルタ加工やBGMの追加ができる。また、動画にテロップを挿入することも可能。2012年にAutodeskに買収された。

vyclone(ヴァイクロン)

動画撮影の位置情報をもとに、他のユーザーが撮影した動画と自分の動画を自動的にミックスすることができる。他と同様、動画を加工できるフィルタが複数用意されている。


ネット系新規事業の立上げスピードが重要視される2つの理由

新規事業はスピードがなにより大事だと思う

photo credit: opensourceway via photopin cc

全くゼロからアイディアが生まれてくることはほとんどなくて、アイディアは既存の要素の組み合わせや、切り口を変えることで生まれてくるものだと考えている派です。

同時期に同じようなWEBサービスやアプリがポコポコ出現してくるのは、その時代の文脈だったり、テクノロジーの転換点から連想することがみんな同じだったりするからかなぁと。どんなに優れたアイディアを思いついたとしても、同じことを考えている人は世界に100人はいるはず。

すぐに実現に向けて走り出さないと、戦う前から不利な状況に陥ってしまう可能性があります。そのアイディアを思いついた時点から競争が始まっているのだから。

ということでネット系新規事業立上げにおいて、スピードがなにより重要だと思う理由を2つ考えてみました。

スピードが大事な理由その1:メディアへの露出

photo credit: streetwrk.com via photopin cc

メディアの種類によって事情は異なるかもしれませんが、特にネット系のメディアは独自の情報を誰よりも早く読者に伝えたいと思っています。自分たちがリリースしようとしているものに類似しているサービスが先にメディアに取り上げられてしまうと、せっかく作ったサービスの認知度を上げる機会を失ってしまうことになるかもしれません。

サービスのリリースはゴールではなく、スタートです。スモールな状態で市場に投入してユーザーの反応を見ながら機能を拡張していくリーンスタートアップ的手法が最近のトレンドですが、リリース初期段階にある程度のユーザーが獲得できないと、改善に必要なデータも集まりません。

スピードが大事な理由その2:ユーザーのスイッチングコスト

photo credit: derekGavey via photopin cc

Facebookに変わる新しいサービスが出現したからといって、今すぐ乗り換える人はそれほど多くはないはずです。それは今使っているFacebookには友達もたくさん登録されているし、今まで投稿してきたコンテンツがたまっているから。通常、サービスを使えば使うほど他に乗り換えるのは難しくなります。

自分たちがリリースしようとしているものに類似しているサービスの先行期間が長くなればなるほど、その間にユーザーはコンテンツやソーシャルグラフを構築してしまうため、自分たちのサービスが入り込む隙間がどんどん小さくなります。

アイディアは実行して初めて価値を生む

よく、「アイディアに価値はない」と言われていますが、僕もそれには同意です。ある程度のインプットの量があれば、アイディアだけは誰にでも出せます。アイディアを形にしていくプロセスこそ実力が問われますし、プロダクトになって初めて価値を生み出すものだと思っています。

昔は「スピードよりも中身が大事でしょ」なんて思っていましたが、そもそもスピードがないと埋もれてしまうことを何度も経験したのでこの記事を書いてみました。


5億円スマホECスタートアップのorigamiはきっとまだ本気出していないだけ

大型の資金調達で話題になったorigami

KDDIとDACから5億円の出資を受けてスタートしたスマートフォンECアプリorigami
調達した金額の大きさからなぜ5億も!?と軽く衝撃を受けたのがリリースを見た2013年4月23日。このブログを書いている今日、6月18日からだいだい2ヶ月前です。そういえばダウンロードの状況はどうかな?と気になったので、先行するZOZOTOWNのiPhone版アプリと比較してみました。

origamiとZOZOTOWNのダウンロード状況を比較してみた

■origami iPhoneアプリDLランキング(20130423〜20130618)

リリース直後は総合75位までいきますが、その後緩やかに下降し、5月はライフスタイルカテゴリ200〜300位前後を上下します。ランキングの急変動も確認できないので、おそらくまだ広告出稿などはしていないのかな。波形を見る限りでは1万〜2万DLくらいでしょうか。

■ZOZOTOWN iPhoneアプリDLランキング(20130423〜20130618)

ライフスタイルカテゴリ50位前後を常にキープしています。順位変動が少ないランキングの波形はある程度知名度があるアプリによくあるパターンです。やはり自然流入でコンスタントにユーザーを獲得できるのが一番望ましいですね。

origamiの本格的なプロモーションはこれからのはず

アプリリリースしてまだ2ヶ月なので、現在は市場の反応を見ながらバージョンアップして使い勝手をよくすることに注力しているはずです。ただ、AppStoreの「ファッション」「通販」など主要キーワード検索でもなかなかヒットしないので、ASO対策くらいはしっかりすればいいのにな。タダだし。

きっと、どこかのタイミングでドライブをかけてプロモーションをかけてくるはずなので、いつ頃になるのか個人的には楽しみにしています。2013年はスマホコマースがアツいと言われているので、プレイヤーのみなさんは悔いのないように頑張って欲しいなと思います。


metapsの「spike(スパイク)」が目指すものは次世代通貨なのだろうか

手数料無料の決済代行サービスが生み出す衝撃


リワード広告で有名なmetapsから決済手数料無料の決済代行サービス「spike」がリリースされました。通常、決済代行は月額数千~数万円の固定費がかかったり、1取引あたり数%の手数料が発生するものですが、spikeはなんと初期費用・月額固定費用・トランザクション費用無料。いったいビジネスモデルどうなってるんだ?ということで、個人的にかなりの衝撃を受けました。

目指すのは次世代通貨?

個人的に一番しっくりきた考察はTechWaveのこの記事。
記事末尾の「僕はこう思ったッス」で紹介されている「Droplet Mobile Payments | Changing the Way the World uses Money | Droplet」の動画を見た時、metapsはこういうことを目指しているのかなぁ、なんて思い勝手に納得してしまいました。動画はコレ

このサービスの前提をネットショッピングしたときの決済代行としてだけ考えると、確かに「ビジネスになるの?」という感じですが、リアルな店舗での決済でも使えるとなるとかなり話は変わってくるかなと思います。

決済代行手数料無料をフックに加盟店を増やす

実績をもとにリアル店舗でもspikeで買い物ができるようにする

ユーザーはネットでもリアルでもキャッシュは使わずspikeで買い物をする時代が来る。

・・・とか根拠はありませんが、こんなことを狙っていたら面白いなぁと思います。

直近で行った10億円の資金調達の用途がコレだとするのであれば、相当スゴいビジネスになるはず。