イノベーションよりも金になる模倣:コピーキャット読書メモ


photo credit: Paolo Margari via photopin cc

イノベーションよりイミテーション?

経済がグローバル化し、情報の入手コストが格段に低くなっている現在、新しいモノやサービスが模倣されるスピードが格段に上がっています。アップルのiPhoneのように世界を変えるイノベーションが礼賛されるのは当然なのですが、ビジネスとして考えるとイノベーションよりも、イミテーション(模倣)の方が確実性が高いよね、ということが書かれているこの本(コピーキャット: 模倣者こそがイノベーションを起こす)を読んでいます。まだ途中なのですが気になった箇所をメモ。

製品のコピースピードは年々上がっている

一九世紀のイノベーションが発展途上国で利用されるようになるまでには一〇〇年かかったが、二〇世紀後半になると、発明がコピーされるのに二年もかからなくなった。模倣された製品が広まるまでにかかる期間は、一八七七~一九三〇年は平均で二三・一年だったのに対し、一九三〇~三九年は九・六年に縮まり、一九四〇年以降は四・九年になった。模倣者が市場に参入するまでの期間も二・九三%短くなっている。模倣のラグは一九六一年には二〇年だったが、一九八一年になるとそれが四年になり、一九八五年には一~一・五年にまで短縮した。

模倣は利益を生み出す

生産性を大きく向上させるのは、イノベーションそのものではなく、その後に加えられる改良である。そうだとすると、模倣者はたいてい、オリジナルよりも優れていると考えられるものを、オリジナルと比べて格安な値段で顧客に提供できる有利なポジションにいる。模倣するには、イノベーターがとった手順のすべてとはいかないまでも、その多くをたどり直さなければいけないので、相応のコストがかかる。しかし、模倣コストのほうが低いことは明らかであり、ほとんどの場合はイノベーターが投じたコストの六〇~七五%程度ですむ。利益率の低い時代には、この差は大きい。

模倣からイノベーションは始まる

ペプシコの元シニア・バイスプレジデント兼トレジャラーのライオネル・L・ノウェルは言う。「イノベーションを起こそうとしているときであっても、他人がどんなことをしているのかも知りたい。面白いことに、一部のイノベーションは模倣から始まっている。模倣しようとしているときでさえ、原型をさらに進化させて、イノベーションと呼んでもよいくらいのものを生み出さなければいけないと思っている」。P&Gの元最高技術責任者、G・ギルバート・クロイドの話では、独自性を生み出すのは新しい要素ではなく、その組合せ方だという。

イノベーターよりも成功する模倣者

イノベーションの真のコストを分析に反映させた場合も、また、独占が永遠に続くというような非現実的な前提を置くシミュレーションを使わずに、現実に即した設定を行った場合も、模倣者のほうがイノベーターよりはるかに大きな成功を収めている。イノベーションの優位性を支持する証拠を見つけている研究でさえ、「平均的な効果は、一部の研究者が示唆しているほど劇的なものではない」こと、そして、「今日のイノベーションには、これまでのような競争優位はないかもしれない」ことを認めている。


Similar Posts: