18歳の創業者やインフラ未整備地域へ医薬品を配送するドローンスタートアップへ投資ーーAndreessen Horowitzの投資実績(2016年11月編)


メディアをとりまく山火事は広がるばかりでインターネット界隈がざわついていますが、こんな時こそ視座の高い海外スタートアップの調達情報を眺めて深呼吸しましょう。a16zの10月投資件数は2件だったのでブログを書きませんがでしが、11月は比較的ボリューム多めの6社のスタートアップに投資を行っています。

Cross River Bank

テクノロジーに明るく、FinTech事業者とのパートナーシップで融資を行う銀行。AffirmやUpstartなど提携する15社以上のオンラインレンディングスタートアップ経由で2015年に24億ドル以上の貸付を行ったとのこと。また、Google Wallet、Stripe、TransferWise、Coinbaseなど新興サービスと統合できる決済ソリューションを提供。TransferWiseやAffirmなんかはa16zの投資先ですが、銀行がVCにお金を入れてもらうなんてことがあるんですね。

Zipline(シリーズB, $25M調達)

世界で20億人以上の人がインフラ未整備の問題で医療品へのアクセスが不十分な状態で5歳未満の子供が毎年290万人以上亡くなっているらしく、テキストメッセージで医療品を注文すると自動操縦のドローンが時速100kmで飛んで届けてきてくれる、社会問題解決しすぎのドローンスタートアップ。今のところアフリカのルワンダにて事業を展開中。なぜこのアイディアを思いついたのかLinkedInを見たのですが、ファウンダー兼CEOのKeller Rinaudo氏はハーバードでセル・オートマトンの研究に従事した後、プロのロッククライマーになりZiplineを創業している、異色というか天才なのでしょうね…。同じラウンドでSequoiaも投資に参加しているのですが、何がすごいかってこのラウンドのリードは日本の孫泰蔵さんが代表のVisionnaire Venturesなのですよね。

Rappi(シリーズA, 金額非公開)

a16zのポートフォリオとしてはかなり珍しい、コロンビアのデリバリースタートアップ。2016冬期のYC出身だからですかね。もともとは一般的なオンデマンドデリバリーのサービスとして食料品のは配達を行っていましたが、インフラや治安など信頼性の低い地域で現金授受のニーズが多いことを知り、ユーザーが引き出した現金のデリバリーもラインナップに加えているとのこと。

Quantopian(シリーズC, $25M調達)

トレーディングアルゴリズムに特化したGithubのようなコミュニティサービス。プラットフォームでは過去の米国株やETFの分速チャートを保持しており、Pythonベースで開発したアルゴリズムをもとにバックテスト(開発したアルゴリズムで本当に儲けることができるか、過去の相場データで確認する手法)をかけて、アルゴリズムの精度を確かめることができる。定期的にアルゴリズムの精度を競うコンテストも行われているようですが、日本のAlpacaに近いサービスですね。

PeerStreet(シリーズA, $15M調達)

Google Analyticsの原型であるUrchin SoftwareのファウンダーBrett Crosby氏が創業したスタートアップで、ロボアドバイザー for 不動産ローンと言ったらよいのかな、ちょっと違うかもですが。データ分析や独自のデューデリプロセスによりデフォルトリスクの少ない不動産ローンを商品として集め、ポートフォリオを組むことができるマーケットプレイス。実績は年利6-12%がアベレージらしく、PeerStreetはローンの金利と投資家の利益のスプレッドの範疇で手数料を支払う仕組みとのこと。

PapidAPI(シード、$3.5M調達)

イスラエル発、創業者が18歳という#地獄系スタートアップ。世にある大量のAPIがカテゴリ別、人気別に整理されておりフォローしておけば更新情報も入手可能。またアカウントを登録すればAPIとの接続テストを行うこともできる。a16zの他にSV Angelや500 Startupsなどが協調投資。

お知らせ

運営しているFacebookグループで、最近ちょこちょこと勉強会を開くようになってきました。オンライン上での知識だけでなく、起業家/エンジニア/VCのリアルな繋がりが生まれるグループに少しずつ変えていこうかと思っています。B2Bまわりのスタートアップ界隈にご興味のある方はぜひ。
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Facebookの「Workplace」がHR領域にもたらすもの



以前からFacebook at Workという名称でβテストを行ってきたFacebookのエンタープライズ向けサービスである「Workplace」が公開されました。Newsfeed、Group、Event、MessengerやCallsなど、投稿の範囲が導入した組織内に限られるという点以外は通常版Facebookとほぼ同様の使い方が可能で、プライベート用のFacebookアカウントと切り離されている点がなるほどなと。

Workplaceの特徴

まだ中身を触れてないのですがグループ機能がこのサービスの肝で、サイトの情報を見る限り特徴的なのはこのMulti-Company groups機能。グループでは文字投稿や写真、ファイル共有が可能で、社外の人を招待することで組織を超えたコラボレーションが可能とのこと。企業向けサービスは組織を超えたネットワーク効果が生まれにくいのですが、勝手に導入企業を増やせるバイラル性を持つ機能を付加したのがFacebookっぽいですね。

他にはAdmin画面で分析機能もしっかり実装している抜け目のなさも感じます。Workplaceは情報共有の効率化や風通しの良さといった定量化しにくい効果を求めて企業が導入するはずで、Workplace内でモニタリングできる利用率や組織コミュニケーションの絶対量をBefore/Afterで数値化したマーケティングができる。

導入企業はどんな効果を感じているか

おそらく前進のFacebook at Workの頃から使っている企業も多分に含まれているのでしょうが、既に世界で1000社以上が採用しているWorkplace。Booking.comやDanone、TBWAといった大きな組織もサービスを活用しています。サイトに掲載されている事例をまとめると、従来の社内メール、特にトップからのメッセージを配信する場合と比較するとコミュニケーションのインタラクティブ性が増し、情報伝達スピードが増し、拠点を越えたコラボレーションが可能になり、社内にあるスキルやナレッジが可視化される、といったところでしょうか。

Workplaceを取巻く今後の展開等々

学習コストの低さがペネトレーションへ与える影響

新しい社内コミュニケーションツールを導入するより、使い慣れたFacebookのインターフェースを踏襲するWorkplaceは圧倒的に学習コストが低い。導入効果は頭で分かっていても「どうせ社内のおじさんは使いこなせない」という理由から同様のツール導入を遠ざけてきた企業にとってはハードルが一気に下るのかも。一方で打倒Slack文脈でWorkplaceを紹介しているメディアが多いけれど、Workplaceは全社導入前提のサービスである気がなんとなくするので、エンジニア部門単独で導入の意思決定ができるSlackよりは成長スピードが遅い気がする。

組織の人間関係データ

本家Facebookは興味を持つと思われる投稿を選別しフィードに表示するアルゴリズムを実装していますが、同様に個人間の関係性データを活用した機能をWorkplaceでもおそらく出してくるはず。Likeの頻度、コメントの内容、フィードをスクロールする速度から職場の人間関係を推察し、組織へのエンゲージメントや組織構築に関するヒント、人事評価に活用できるデータに成形することができれば結構インパクトが大きいのでは。

3rd Partyの巻込み

Zyngaを始めとする3rd Partyのゲームで一気に成長したFacebookだけに、Workplaceもこのプラットフォームを活用したバーティカルのサービスに対する門戸をどの程度開くのかは注目したいと思っています。

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日本人スタートアップやランチ予約サービスに投資ーーAndreessen Horowitzの投資実績(2016年9月編)


いつの間にか秋・完全体になりましたね。近所の公園は地面に落ちた大量のどんぐりで大変なことになっています。さてさてa16zは投資の動きがおとなしかった7月8月をリカバーするように9月は久々に6社のスタートアップに投資しています。早速行きましょう。

TOP of ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzの投資実績(2014年7月編)
TOP of ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzの投資実績(2014年8月編)
人工知能ミニカー、ノマド向け検索エンジン他Andreessen Horowitzの投資実績(2014年9月編)
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脳を刺激し身体能力を向上するデバイスへ投資ーーAndreessen Horowitzの投資実績(2016年2月編)
有名ハッカー創業のAI運転や新興国向けモバイルバンキングに投資ーーAndreessen Horowitzの投資実績(2016年3月編)
個人投資家向けトレーディングツールやドローン向けセキュリティに投資ーーAndreessen Horowitzの投資実績(2016年4月編)
学生向けプログラミング学習ゲームや人事評価プラットフォームに投資ーーAndreessen Horowitzの投資実績(2016年5月編)
血液ガン検査や有色人種MCNに投資ーーAndreessen Horowitzの投資実績(2016年6月編)

OfferUp(シリーズC投資)

2016年9月時点の情報だとUSで2,900万インストール、流通額は$14B程らしいC2Cフリマアプリ。未だに日本からのアクセスをブロックしているOfferUPですが、まずはユーザー増にフォーカスしているからでしょうか、マネタイズはまだ始めてないっぽいですね。国内スタートアップ界隈の麦わらの一味であるメルカリがアメリカでどこまでのポジションを獲得できるか楽しみ。

Bonfire Studios

世界的に有名(らしい)ゲームWorld of WarcraftのリードデザイナーであるRob Pardo氏が創業したスタートアップ。a16zはこうして時々ゲーム銘柄にも投資するのですよね。ちなみにLeague of Legendsの運営元であるRiot Gamesも同じラウンドで投資に参加。Bonfire Studiosですが界隈のベテランを集めてモバイルまたはPC向けのゲームを開発中の模様です。

Point(シリーズA投資)

ホームエクイティローンとは自宅を担保に融資を受けられるサービスで教育費用やリフォーム費用の捻出手段として日本よりアメリカで一般的な資金調達手段。ローンなので当然毎月の返済が必要になるわけですが、Pointは従来と異なり月々の支払い不要でユーザーが抱える同様の課題を解決する手段を提供しています。

スタートアップファイナンスと近い考え方で、まとまったお金が必要なユーザーが家の権利を一部Pointに売り(Pointの視点だと投資)、最終的に家を販売するときはPointに収入が入り、家を売らないときはPointから家の権利を買い戻すことも可能。その際は現在の不動産価格に基づき取引されるのでPointが投資した金額よりも安価に買い戻せるケースもあるとのこと。もちろん事前のサーベイで不動産価値が上がる可能性のある物件に投資しているのでしょうけど、なんかすごいな。

Luma(シリーズA投資)

家の中に無線ネットワークのデッドスポットを作らないよう、複数台の機器がメッシュを作り屋内のどこでも無線通信できるようになる一軒家向けWi-Fi接続デバイス。ネットワークプロテクション&コンテンツフィルタリングの機能も付いており、特定のデバイス、例えば対象年齢X歳以上のサイトを閲覧する子供の通信を遮断することができる「House Rules」も搭載。Lumaは公式サイトにて3個セット$399で販売中でa16z投資先のAffirm経由で買うことができるのは流石。

Allset(シード投資)

ランチのレストラン予約と事前注文、事前決済が一緒になったサービス。慌ただしいランチの待ち時間を思いっきり短縮することができる。レストランにとっては事前に受けた注文で時間までに作ればお客さんが来てガッと食べてくれるしレジの対応も不要なため回転率を上げることができる。レストランとユーザー双方のメリットが明確だし、これ身のまわりでも欲しいですね。今のところベイエリアとNYで展開中。従業員の福利厚生として法人向けにもサービスを提供。

Anyperk(シリーズA投資)

界隈では言わずと知れた、従業員向け福利厚生サービスを展開するスタートアップ。CrunchBase上ではDCM(リード)、ニッセイキャピタルといった日本勢が今回のラウンドで協調投資してるように見えますね。国内でも労働人口は減ってくるしエンジニア採用できない問題が深刻化しているので改めてスタートアップ界隈でも同様のサービスを考える時期だったりするのかな。ベネフィットワンは最近どんな感じなんだろ。

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血液ガン検査や有色人種MCNに投資ーーAndreessen Horowitzの投資実績(2016年6月編)


梅雨明けを疑う炎天が続き、いよいよセミの鳴き声まで聞こえるようになった7月初旬。ちょっと書くのが遅くなりました。直下のリストもたいぶ長くゴチャゴチャになってきたので、そろそろ見やすく整理せねばですね。それではさっそく行きましょう。

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Freenome(シード投資)

“Liquid biopsy diagnosis platform”という見たこと無い文字列が登場しただけでどんなスタートアップなのか深掘りする心が折れそうになりましたが、要は血液でガン検査を行う基礎技術を持つ会社。ガン患者は血中循環DNA(Cell-free DNA)の量が健常者より多いことが報告されており、従来型検査のように穿刺や疑わしい患部を摘出することなく血液検査でガンの判定ができるらしい。Freenomeはコンピュータサイエンスと生物学の力を合わせガンの部位特定を行うことにも挑戦している模様。スゴイ。今回のラウンドはData CollectiveやFounders Fundなども協調投資。

Mediachain(シード投資)

デジタルな制作物にトレーサビリティを与えるブロックチェーンスタートアップ。コンテンツのメタデータを分散型ネットワークで共有、著作権管理団体のような中央集権期間の必要なくコンテンツの製作者が自己の制作物のライセンスを管理できるようになるとのこと。シードなのでまだなんとも言えませんが応援したくなる系のやつだ。

Barefoot Networks(シリーズC投資)

プログラマブルネットワークのソフトウェア&ハードウェアを開発するインフラスタートアップ。先日、世界最速をうたうプログラマブルネットワークスイッチ向けのチップを発表。ネットワーク管理者はチップを導入しソースを書き換えることでネットワーク上のロードバランサやファイアウォールを置き換えたりすることができるとかなんとか。今回のラウンドで累計$132.35Mの調達。

Within(シリーズA投資)

VR映像視聴プラットフォーム及びVR映像制作・配信を行うスタートアップ。もともとはVrseという名前だったのだけど、何て読むのか分からないという問題が多発していたため今回の調達発表を期に名称変更。a16zはVrse時代の2015年10月に一度投資しており、前回記事を書いて以来久々にサイトを開いたのだけど、以前は2,3個しかなかった気がする動画の種類が結構増えてました。個人的には海中映像のVRがとても好き。

Anki

今回のラウンドで累計$157.5Mを調達した人工知能ミニカーを開発するスタートアップ。2014年の前回ラウンド時点では自律走行し走る度に改善するミニ四駆のようなデバイスを開発していましたが、新たにCOZMOというブランドの玩具を出す模様。COZMOはピクサーの映画に出てくるような、AIで制御された様々なインタラクションを行う車型ロボット。$180となんとも絶妙な値段設定!

All Def Digital(シリーズB投資)

自分のメディアでもコンテンツをディストリビューションを行うミレニアル世代向けMCNって言ったらいいのかな?Youtuber、ライター、俳優、ヒップホップアーティストを発掘・マネージし、自分たちのサイトやTV、映画、ライブイベントに出演させブランドコンテンツで稼ぐスタイル。所属するアーティストは有色人種(主に黒人)でCo-founderはラッセル・シモンズ。この投資は絶対Hiphop好きのBen案件なんじゃないかと思うぞ。

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学生向けプログラミング学習ゲームや人事評価プラットフォームに投資ーーAndreessen Horowitzの投資実績(2016年5月編)


つい先日、生まれて初めてケータイ(iPhone)の画面を割ってしまったので修理に出したのですよね。受付から修理完了まで90分という短さと1万3,000円という金額の安さにちょっと驚いたんですけど、そもそも1万3,000円って結構な出費だし、それをiPhoneの本体価格に引っ張られて相対的に安いと思った自分に驚いています。

さて、我らがa16zですが5月は比較的少なめの3社に投資しています。早速行きましょう。

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CodeCombat(シード投資)

タワーディフェンス型ゲームをベースに生徒が楽しくPythonとJavaScriptを学べる学習プラットフォームを開発。僕も学生時代にタイピングオブザデッド(知ってますか…?)のお陰でブラインドタッチができるようになったので、プログラミング学習においてもゲームが及ぼす影響は大きそう。

最近はドラッグ&ドロップでアルゴリズムを学べるビジュアル型のプログラミング言語がたくさん出ているみたいですが、CodeCombatは実際に生のコードを書いて学習できるので、文法や正しい構造をいち早く理解できるとのこと。小学3年生から高校3年生まで25,000人が授業でプレイしており、生徒ひとりあたり月10ドルで利用可能だそうです。

Reflektive(シリーズA投資)

入力のインタフェースをSlackやGmailなどと連携することで、社員のワークフローから離れずに人事評価を行えるツールを開発。確かに、四半期毎の人事評価のタイミングで社員のことを思い浮かべながらサーベイを埋めるよりも、日常のコミュニケーションのたびにデータを積み上げていった方が本来あるべき評価ができそうな気がするぞ。

前回の調達で初めてプロダクトを見た時はスピードExit狙いかなと思ったけれども、プラットフォーム指向っぽいし今後の戦い方が気になるスタートアップ。ちなみにサービスはTwillio、Glassdoor、Lyftあたりが導入。

TransferWise(シリーズD投資)

2国間の送金をマッチングすることで銀行に取られるはずの手数料を大幅に下げた金融サービスを提供するスタートアップ。2015年1月のシリーズCに続くフォローオンで評価額は$1.1Bでいわゆるユニコーン入りということに。従業員はもう600人以上もいるのか…。

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